失敗しない研修計画

JMAソリューションの研修プロジェクトはこんなふうに進む!(1)

公開日:2024/08/06 更新日:2024/08/06

お問い合わせ~研修内容のご提案までに行うこと

JMAソリューションの研修が目指すのは、それぞれの企業が抱える個別の課題の解決です。そのために大切なのが研修内容のご提案までのプロセス。最初にお話を聞く「ヒアリング」ではどのようなことを聞き、何を踏まえてご提案をするのか、具体的な内容と、その過程で大切にしていることを、2人の営業担当者が語ります。

プロフィール

武智(たけち)氏

経営人材革新センター 民間ソリューションチーム所属

自動車メーカー勤務を経て、2001年に中途入職
マーケティング・営業CS分野のセミナー、事例発表大会、次世代経営者育成・役員研修等を担当するとともに、統括業務を担当。現在は個別企業の人事課題解決に向けたソシューション提供業務に従事。

水沼(みずぬま)氏

経営人材革新センター 民間ソリューションチーム所属

専門商社勤務を経て、2007年に中途入職。
展示会企画・運営業務を担当した後、2018年から現在まで個別企業の人事課題解決に向けたソシューション提供業務に従事。

(1)お問い合わせ

多いのはWebサイト経由のご相談。公開研修から「自社向けに」というご相談も

――研修のきっかけとなるご相談はどのように始まるのでしょうか?

武智
スキル別研修でよくあるのは、JMAの公開セミナーに参加されたお客様から「社内研修を実施してみたい」というお問い合わせをいただくケースです。他にもJMAが主催している各種展示会のお客様から「人材育成についても相談したい」とお話をいただくこともあります。

水沼
最近、すでに研修を請け負っているお客様から、「課長研修についても変えたいので提案をしてほしい」というご相談がありました。これもごく一般的な形ですね。

武智
実際に研修実施につながるのはこういったケースが多いのですが、今は、お問い合わせ件数としては断然Webサイトからが多いですね。

――階層別研修についても、全くの新規で実施したいというお問い合わせはあるものですか?

水沼
よくありますよ。とくに、急成長された企業などでは、成果を上げたプレイヤーとして優秀な方々が課長ポジションについたものの、マネジメントの研修を受けたことがなく各々独学で何とかしおり、組織として一貫性を欠いたものになっているという場合も多く、どうしたらよいかとご相談をいただくこともあります。

(2)ヒアリング

言語化されていない「ありたい姿」を探り出し、課題の本質をつかむ

――最初に行われるお客様へのインタビューの流れと、どんなことを聞くのかを教えてください。

水沼
まずは「誰」を「いつ」育成するのかといった基本的な状況の確認をしたうえで、「どんな状態になりたいのか?」を聞いていきます。そのときに重視しているのは、できるだけ本質的な課題を探ることです。本当はどの企業にも「ありたい姿」があるはずですが、言語化されていない場合もあります。ヒアリングを通じて言語化からご支援をさせていただきます。また、場合によっては一緒に「作って」いきます。「ありたい姿」が見えてきたら、「現在の状態」を確認します。これはより具体的に確認をすることに気を付けています。「現在の状態」と「ありたい姿」のGAPを「課題」とし、これを埋める為に、限られたバジェットの中で取り組むべき課題に優先順位をつけながら企画を固めていきます。

武智
新規のお客様の場合は、これまでどんなことに取り組んできたのかもしっかりお聞きします。やってみたけれど成果が出なかったのか、それとも、やったことがないから問題が起こっているのかによっても、取るべき方法は違いますからね。

――「ありたい姿」は各企業でどの程度言語化されているものなのでしょうか?

武智
言語化はされていないことのほうが多いですね。そこでよくお聞きするのが「育成をしたい」と考えた背景です。背景を知るためには、発案者は誰なのか――トップなのか、人事なのか、あるいは事業部なのかを聞いたりもします。そうすることで「部署内のマネジメントスキルが足りない」「会社全体として課題が浮上している」「エース級だけでなく全体の底上げを図りたい」などの背景が見えてきます。これをもとに意見交換をしていく中で、「ありたい姿」も浮かび上がってきます。

水沼
先ほどお話しした「課長研修を変えたい」というケースでも、「どう変えたいのか」は言語化されていませんでした。そもそも「変えろと言われているけれど、現場レベルではとくに不満がない」ということもよくあります。それでも「変える」からには、全社レベル、中長期レベルで見たときに何か変えたほうがいい理由があるはず。それを議論しながら一緒に探していくわけです。

ちなみにあるときは、同じ企業の次世代経営者育成をJMAがご支援させていただいていたため、そこで出てきたキーワードをもとに仮説を投げかけ、ご担当者との意見交換を通じて、目指す姿を言語化していきました。大局的な企業の動き、例えば中期経営計画や統合レポート、中長期で見た市場の動きなども手掛かりとして活用しています。

武智
逆にスキル系研修のほうが「〇〇を向上させたい」という目的は明確かもしれませんが、では今どういう状態にあるのかという「現状」は明確でなかったりします。本来研修は、何か課題が出てきてから対症療法的に行うのではなく、原因療法として行うのが理想で、そのためにも現状をしっかりヒアリングし、根本的な原因を探っていくことが私たちの役割だとも言えますね。

たとえば、あるメーカーで営業力強化研修をやりたいというご相談をいただいたとき、何をどう強化したいのか深掘りしてみると、「効果的な提案書が書けない」のが課題だと分かったことがありました。取引先の規模が幅広く、若手のときには小規模事業者を担当していたのが、役職が上がって大手企業を担当すると、求められる内容が全く変わって何を押さえるべきかがわからない状態になっていたのです。こうして「現状」がわかれば、一般的な営業力強化研修ではなく、その企業で今必要なスキルを高める研修を実施することができます。

(3)研修内容のご提案

社風に合わせた講師の人選がカギ!納得感があり、スムーズに進められる提案を目指す

――実際に研修内容を企画、提案する際に意識してしいること、工夫していることなどはありますか?

武智
一つはご要望に合わせた講師の人選ですね。たとえば、しっかり講義のできる講師がいいのか、あるいは参加者自身の気づきを引き出して、新たな意識を醸成できる講師がいいのかは場合によって違います。最近実施したハラスメント研修の際は、インプットについてはeラーニングで実施されているということだったので、理解するだけでなく実感していただくために「気づき引き出し」タイプの講師をご提案しました。こうしてさまざまなタイプ講師をご提案できるのは、中立的な団体である当会の強みの一つだと思います。

水沼
研修で効果を出すには企業と講師の相性は重要だと考えています。 私は「理性」タイプと「感性」タイプになんとなく区別をしているのですが、ロジックを重視する人が多い企業であれば理論派の講師を、「そうなんだ!すごい!」という感覚で動く人が多い企業であれば感性に訴えるタイプの講師を人選しています。いずれにせよ、受講生の行動変容が起こることが大切だと考えています。

武智
あとは研修時間でしょうか。皆さんお忙しいので、短時間での研修を希望されることも多いのですが、「効果を上げる」という目的を考えるとどうしても時間がかかる場合もあります。そういうときは、本当に必要と思われる時間を率直にご提案し、なぜ必要なのかを丁寧にご説明するようにしています。

水沼
誰が研修企画案をご覧になるのかも意識しますね。今まで打ち合わせてきた方々が内容を確認するという場合はよいのですが、そうではない方々が意思決定に関わる場合には、これまでの議論や、今世の中で求められていることなどを企画案に落とし込み、ご納得いただきやすい表現になるよう心がけています。

企画案にOKをいただければご契約となり、あとは実施に向けたプロセスに入っていきますので、現場の担当の方にも不安を解消していただけるよう、「これから何をするのか」がも整理してお伝えしています。