ウェビナーレポート
人事・教育部門に求められる「女性活躍推進のための人材育成と職場づくり」
女性社員のさらなる活躍を推進するため、企業にさまざまな支援が求められています。そこでJMAでは、「女性社員向けキャリアデザイン研修」などで講師を務める青柳 未央氏にご登壇いただき、人事・教育担当者に必要な考え方や取り組み方のポイントをご紹介するウェビナーを実施。その模様をレポートします。
(2021年5月12日実施)
誰のための女性活躍推進か?
「女性活躍の推進」=女性の特別扱いではありません。そのことを示すため、まずはさまざまな数値をベースに、「誰のために女性活躍推進に取り組むのか」が語られました。
背景の一つは、今後、介護を担う社員の急増が見込まれていること。現状では、介護・看護を理由に離職・転職するのは圧倒的に女性が多く、「大介護時代を乗り切るためにも女性が活躍できる組織であることが必要」と青柳氏は説きます。
また、事例として、社員40名の鉄鋼商社の女性活躍推進を紹介。海外進出を目指す同企業が「スキル面で最も適任である出産直後の女性社員をどう活かすか」と考えた結果、海外売上高増だけでなく、企業認知度の向上と、それに伴う新卒応募者数増(約200倍)を達成したことから、女性活躍推進が売上や採用の面でもメリットになることが示されました。
女性活躍推進を阻むアンコンシャス・バイアス
企業で女性が活躍できない理由として取り上げられたのは「アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見や思い込み)」です。
アンコンシャス・バイアスの発動例として挙げられたのは、男性社員がパートナーの妊娠を告げた際の上司の声かけ内容。典型的な「昭和の声かけ」である「今後はキミも一家の大黒柱として頑張らないとね!」という言葉には、どんなアンコンシャス・バイアスが働いているのか、「令和の声かけ」はどうあるべきかという具体的な方策が語られました。
また、「育児で時短勤務中の女性に負担をかけないよう、出張を他の社員に依頼する」という上司のアサインは是か非か?というテーマについてもアンコンシャス・バイアスの視点で検討。どのような対応が望ましいかが紹介されました。
プログラムの成功事例と質疑応答
実際に企業が女性活躍推進に取り組むにはどうするのがよいかという点については、実際に青柳氏がこれまでに講師を担当し、効果の得られた研修のプログラムを披露。必要な期間やセッションの内容・回数など、具体的なイメージが伝えられました。
最後に、ウェビナー参加者への事前アンケートによるコメントや、当日チャットで寄せられた質問に青柳氏が回答。「社内に女性社員のよいロールモデルがいないので難しい」「女性社員の管理職志向が低い」「どの層の女性から着手するべきか」などの悩みや質問に対して実践的なアドバイスがなされました。
講師紹介
青柳 未央(Mio Aoyagi)
株式会社Woomax 人財開発マネージャー
【略歴】
九州大学大学院を卒業後、NTTコムウェア株式会社に就職し、システム開発に従事。双子育児と仕事の両立に悩んだことをきっかけにキャリアコンサルタント資格を取得。システム開発の傍ら、社内でキャリアに関するワークショップや若手の育成を経て独立。2017年から株式会社Woomaxで人財開発マネージャーとして、プログラム開発や講師として活動。
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