ウェビナーレポート

心理的安全性の高いチームをつくるには ~部下やメンバーの不安解消がマネジメントのカギを握る~

公開日:2022/01/14 更新日:2023/09/13

「心理的安全性の高い」チームとは、社員が上司やメンバーとの関係性への不安を感じずに自由に発言できたり、失敗を恐れずに行動できる職場のことをいいます。そこでJMAでは、人間の本質的な特性を活かした独自の研修プログラムで実績を上げる高橋澄子氏にご登壇いただき、『心理的安全性の高いチームをつくる』考え方を学ぶ講座を実施。その模様をレポートします。(2021917日実施)

なぜメンバーの不安を低減することが必要なのか?

現在、企業活動をする人は上司・部下という立場に関係なく、厳しい状況におかれています。現代の職場環境は、対人関係や雇用についての不安、スキルアップの重圧やリモートワークでの孤立感など、心身が消耗してもおかしくないほどたくさんの不安に満ちています。「だからこそ、社員が心理的に安全だと感じる職場づくりが注目されている」と高橋氏は語ります。 

次いで、個人の不安が大きくなると、仕事のパフォーマンスやチームにどう影響を及ぼすのか、心理学と経営学の視点で一通り解説。そのうえで、心理的安全性の高いチームづくりには、社員の理性的な部分だけでなく、人間の本能のネガティブな側面や感情を低減するマネジメントが必要であることが語られました。 

また、「心理的に安全な職場」とは具体的にどんな環境なのかを、その反対の「心理的に安全でない職場」と比較しながら解説。心理的安全性の高い職場は“ただの優しい職場”でないことが示されました。

心理的安全性のある環境をつくるための上司の役割

講座の中盤は、ブレイクタイムをかねて、参加者全員へのアンケートが実施されました。お題は「自分の所属するチームは、心理的に安全な場といえるか」。参加者がZOOM上で投票した結果は「まあまあ安全」が過半数。高橋氏は「“安全でない”が多くなるのを予想したが、この結果に安心した」と感想を述べました。

その後話題は講座の核心となる「心理的安全性の高い環境をつくるための上司の役割と必要なスキル」へ。高橋氏は“傾聴、自己開示、コミュニケーション、コーチング、ファシリテーション、心を整える”の6つのスキルを挙げ、なかでも環境づくりの根幹をなす“傾聴”スキルに重きを置いて解説しました。

“傾聴”デモンストレーションと事前質問の回答

続いて、“傾聴”スキルのデモンストレーションを実施。上司役は高橋氏、部下役はJMA事務局が担い、事前打ち合わせなしのライブで行われました。

まず上司役の高橋氏は、部下役が“yes,no”以外で答えることができ、部下役主体で自由に話せるような質問をします。それに対して部下は緊張しながらも本心を語り、上司はその発言に共感と許容を表す相槌や承認する言葉を返していきます。そのやりとりを5分間繰り返した結果、部下は上司に自身の思いを理解してもらえた思いを持ち、表情がイキイキと変化。参加者は公開デモンストレーションから、傾聴の力を実感させられました。 

最後に、事前に募集した質問に高橋氏が回答。最も多かった、リモートワークによる心理的安全性の環境づくりの困り事に対して、すぐに役立つ具体的な打ち手の数々が提案され、講座終了となりました。

講師紹介

高橋澄子(Sumiko Takahashi
株式会社MOMO 代表取締役/公認心理師・経営コンサルタント/米国CTI認定プロフェッショナル・コーチ

【略歴】
千葉大学心理学専攻卒業。グラフィックデザイナーを経て、(株)日本能率協会コンサルティングに17年間在籍。その後、製造業や農業など幅広い業種で、事業開発と人材育成・組織開発のコンサルティングに従事。2007年(株)MOMOを起業し、公認心理師を取得。現在、社員・組織の持つ心理的な特性やメカニズムに沿った独自のプログラムを開発し、効果的な人材育成やチームづくりを実現している。

■【実施済みウェビナー】「心理的安全性」の高いチームをつくるには
https://solution.jma.or.jp/webinar210917/

■「心理的安全性」チームにもたらすメリットは大。「心理的安全性」とは何か?
https://solution.jma.or.jp/column/c201028/