今どき研修テーマ&メソッド図鑑

社内コミュニケーションの活性化に役立つ施策と研修のポイント

公開日:2024/10/01 更新日:2024/10/01

社内のコミュニケーションはいつの時代にも重要ですが、働き方の多様化が進んだことでより一層コミュニケーションの必要性が高まっています。ここでは、コミュニケーション活性化に有効な施策についてご紹介しつつ、どんなスキルを磨くべきかという視点についても解説します。

今、コミュニケーションが改めて重要視されている理由

企業が生産性を高めるうえで、コミュニケーションは常に重要なテーマですが、最近は改めてコミュニケーション対策が重要視されています。背景には次のような事情があります。

リモートワークの増加

新型コロナウイルスをきっかけにリモートワークが促進され、社内で気軽に顔を合わせるコミュニケーションが減少しました。非対面のコミュニケーションでは、相手の状況を把握しにくい、指示が正しく伝わらない、お互いの勘違いに気づかないなどトラブルも起こりやすく、改めてコミュニケーションへの対策が注目されるようになりました。

人材、働き方の多様化

働き方への価値観や属性の違うメンバーが同じ組織内で働く機会が増えています。そうしたメンバー同士がお互いの価値観を理解するために、コミュニケーションの重要性が見直されています。

イノベーションの必要性

新しい発見やイノベーションを起こすためには、異質なアイデアや異なる価値観理存在する組織が強いとされています。異なる部署間でのコミュニケーションによるイノベーション創出も期待されています。

活発な社内コミュニケーションがもたらすもの

社内コミュニケーション活性化が企業にもたらすメリットには次のようなことが挙げられます。

生産性が向上する

コミュニケーションが活発になることで、社内のナレッジや情報共有が円滑になり、そのことが従業員の能力やモチベーションの向上につながって生産性が向上します。

心理的安全性が向上する

日頃から活発なコミュニケーションが取れていると、組織内で心理的安全性が向上し、従業員が自分の気持ちや考えを安心して口に出したり、積極的に行動したりできるようになります。

人材の定着率が上がる

活発なコミュニケーションは、社内の人間関係を良好にします。そのことが働きやすさにつながり、人材の定着率が高まります。

コンプライアンスが守られやすくなる

コミュニケーションが活発な組織では、内部統制が整いやすいだけでなく、何か問題が起こったときにそれが隠されることなく、早めに対策を取ることができます。

社内コミュニケーションを活性化するための施策

企業のコミュニケーション不足を解消するための具体的な施策としては次のようなことが有効とされています。自社に合った施策を検討する参考にしてみてください。

1on1ミーティングの実施

リモートワークの増加により、上司と部下のコミュニケーションの機会が減少していますが、1on1ミーティングは上司と部下とのコミュニケーションの機会を増やし、関係性を強化するのに役立ちます。

フリーアドレス制度の活用

オフィスで席を固定しないフリーアドレス制度を活用することで、異なる部署や階層の人とコミュニケーションする機会が発生し、コミュニケーションの幅が広がります。

社内SNSの設置

社内SNSを活用することで、気軽に情報共有や発信ができるようになります。他部署の仕事内容や情報も知ることができ、横のつながりも発生しやすくなるでしょう。

スペースの工夫

社員食堂や休憩スペースは、リラックスした状態でのコミュニケーションを促します。また会議室とは別に気楽に使えるミーティングスペースを設けと、ちょっとした打ち合わせや仕事の話もしやすくなるでしょう。

オンラインコミュニケーションの場づくり

Web会議システムやバーチャルオフィスなどを活用することで、リモート環境でも近くにいるような感覚でコミュニケーションを深められます。

サンクスカードの導入

サンクスカードとは、従業員同士が感謝の気持ちを伝え合うために書くカードのこと。人から感謝されことがモチベーションの向上にもつながり、組織の雰囲気もよくなるでしょう。

社内イベントの開催

社内運動会やバーベキュー大会など社内イベントを開催することで、仕事とは異なる会話もしやすくなります。普段、接点のない人とも交流できる機会にもなります。

組織のコミュニケーションを向上する「構造化」

いずれの施策についても、土台となるのは従業員のコミュニケーションスキルです。

コミュニケーションスキルを研修で育成していくには、それぞれのコミュニケーション力がどのレベルにあるかを知ることが重要ですが、以下の4段階で構造化して捉えることで、今、何を強化すべきかを明確に捉えることができるでしょう。

(1)パーソナルスキル

自分の得意不得意や自分に必要なことを客観的に把握し、周囲に誤解なく伝えるスキルです。

(2)インターパーソナルスキル

相手との共感や理解を深め、良好な人間関係を作るスキルです。チームメンバーをサポートし、チームのパフォーマンスを向上させることもできます。

(3)グループスキル

チーム全体を導く運営スキルです。会議やミーティングなどで参加者の意見を引き出し、合意を導き出すファシリテーションスキルなどを含みます。

(4)インターグループスキル

組織のメンバー同士を繋ぐスキルです。このスキルがあると、組織で一体となってダイナミックに変化し、成果創出を目指せる状態となります。

 

社内コミュニケーションを活性化する施策も、一人ひとりがコミュニケーションスキルを身に着けることでより大きな効果を発揮します。従業員のスキルアップのためにも、社内でどのようなコミュニケーションスキルを高めるべきなのかを構造化して捉え、必要な教育に取り組んでみてはいかがでしょうか。

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