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公開日 : 更新日 : 現代のリーダー層に欠かせないリベラルアーツの学び方

現代のビジネスリーダーの必須科目として挙げられることの多い「リベラルアーツ」。耳にする機会は多いですが、そもそもどのような意味であり、なぜリーダーに必要とされるのでしょうか。リベラルアーツという概念について、改めて整理し、どう身につければよいのかを考えます。

現代のリーダー層に欠かせないリベラルアーツの学び方

リベラルアーツとは何か?

リベラルアーツ(liberal arts)は、「一般教養」と訳されることの多い語で、伝統的には、大学の教養課程で学ぶ内容がこのように呼ばれてきました。

その起源は、古代ギリシャの市民社会にあるとされています。古代ギリシャの社会において、自由市民(奴隷とは異なり、さまざまな権利を持つ)は、労働に直接役立つ知識よりも、社会を主導するにふさわしい人格を身につけることを求められました。こうした学びはラテン語でartes liberalesと呼ばれるようになり、のちに「自由7科」という7つの学科に整理され、ヨーロッパで教育の基本として定着していきました。なお、自由7科には文法、修辞学、論理学、算術、幾何、天文学、音楽が含まれます。

こうした歴史から考えると、リベラルアーツとは本来、「自由市民として生きるために必要な学問」であると捉えることができます。職業や専門性のためではない、純粋な教養というニュアンスを持つともいえるでしょう。

なぜ今、リベラルアーツなのか?

現代においてリベラルアーツに含まれる知識としては、歴史、美術、音楽、文学、科学などが挙げられます。一見、ビジネスとはつながりが感じられにくい分野ですが、それでも必要性が叫ばれるのはなぜなのでしょうか。それには次のような時代背景が影響していると考えられます。

ビジネス環境のグローバル化

世界中でビジネスを展開するにあたっては、さまざまな異文化への理解が不可欠です。リベラルアーツは、相手の文化を理解する助けとなります。

前例のない世の中の変化

新たなテクノロジーが次々と生まれ、世の中が変化していく中でビジネスを実行していくには、今起こっていることを多面的に理解する必要があります。リベラルアーツを身につけていることで、さまざまな視点を持つことができます。

求められる経営判断の複雑化

価値観が多様化した現代は、とくにリーダー層にとっては難しい時代です。経営判断にもさまざまな基準が必要で、これまでは経済合理性のみで判断できたことも、今はより幅広い価値を総合して考える必要があります。こうした複雑な判断を下すためには、さまざまな価値を結びつけて考えるための根源的な思考力が必要であり、リベラルアーツがその支えとなります。

リベラルアーツの効用

リベラルアーツを身につけることで、とくにビジネスシーンに関わるどんな力が得られるのか、もう少し掘り下げてみましょう。

異なる価値基準で自分を見られるようになる

リベラルアーツを学ぶことは、世界中のさまざまな知識や価値観を知ることにつながります。そのことで、自分の考えについても、異なる価値基準から検討することができるようになります。

課題を発見する力がつく

慣れ親しんだ環境では、どこに課題があるかを発見するのは難しいものです。リベラルアーツによってさまざまな視点を得ることは、今まで気づかなかった新たな課題を発見することにつながります。

正解のない問題に答えを出せるようになる

価値観が多様化した複雑な世界に、一つの「正解」はありません。そんな中で求められるのは「正解を見つける」力ではなく「答えを出す」力です。リベラルアーツを通じてさまざまな価値観を学ぶことは、一つの正解にこだわらず、よりよい答えを出すことにつながります。

自らの信念に自信が持てる

世界中の知識や価値観に触れると、身の回りにある考え方が全てではないことに気づきます。身の回りに前例のないことであっても、自分の信念に自信を持てるようになるでしょう。

新しい価値を創造する力になる

リベラルアーツは普遍性の高い学びです。普段の仕事の範囲では見えない本質を理解する助けとなり、仕事をする上でも自分独自の世界観を形作ることができ、全く新しい価値を創造することにもつながります。

人間的魅力、品格が身につく

リベラルアーツを学ぶことで人間としての軸が生まれると、周囲からの信頼性も高まります。そのことが、AI時代だからこそ見直されている人間的魅力にもなるでしょう。

こうして挙げてみると、リベラルアーツで得られる効用は、現代のリーダー層に求められる資質と大きく関わっていることがよく分かります。リーダー層にとってリベラルアーツが重要だと言われるのは、こうした効用のためです。

同時に、上記のような力は、早いうちから身につけておくことにも大きな意義があります。若手社員がリベラルアーツを学ぶことは、自らの仕事の意味を考えながら、信念を持って働くことにつながり、将来の成長の糧となるでしょう。

現代の経営幹部に必要な理由~なぜ経営知識だけでは足りないのか?

ここまでリベラルアーツの効用を見てきましたが、特に現代の経営幹部において、リベラルアーツは不可欠な要素となっています。

ビジネススクールなどで学ぶMBA的な「経営知識」や「フレームワーク」は、ある目的を効率的に達成するための手法(How)を導き出すには非常に有効です。しかし、過去の成功モデルが通用せず、予測不能な変化が続く現代のビジネス環境においては、経営戦略や論理的思考だけでは解決できない課題が山積しています。

いま経営幹部に求められているのは、「What(社会に対して何をすべきか)」「Why(なぜ自社がそれをするのか)」を自ら問い、定義する力です。経済合理性だけでは判断を下せない局面に直面したとき、歴史、哲学や宗教から人間の本質を理解する「リベラルアーツ」が、判断の軸を与えてくれます。経営知識という「道具」も、人間としての「器」や「倫理観」がなければ、正しく、かつ大局的な視点から使いこなすことはできません。グローバルでリーダーシップを発揮するために、経営知識だけでは足りないと言われるのはこうした理由からなのです。

リベラルアーツをどう学ぶか

社会人がリベラルアーツを学ぶ最も身近な方法としては、いわゆる古典と呼ばれるような名著を読む、文化や歴史に触れる機会を作るといった方法が挙げられます。

いずれの場合も、ただ本を読んだり文化に触れたりするだけでなく、何らかの問題意識や疑問を持ち、固定観念を持たずに学ぶ姿勢が重要です。さらには、学んだ内容について自分の意見を持った上で、異なる意見を持つ人とディスカッションすることでより深い学びを得ることができます。

こうした学び方には、独学では難しい部分も多くあります。そういう意味ではリベラルアーツは、適切な指導者のもと、ディスカッションをしながら学ぶ「研修」というスタイルにとても適しています。将来のビジネスリーダーを育成するためにも、ぜひ検討してみたいテーマの一つと言えるでしょう。

次世代経営層・リーダーのためのリベラルアーツを学ぶJMAプログラム

最後に、リベラルアーツを実践的に、かつ深いレベルで学ぶ場として、日本能率協会(JMA)が提供するプログラムの例をご紹介します。正解のない時代に求められる判断軸と、人間的魅力をもったビジネスリーダーを育成するための本格的な内容となっています。

「JMI「リーダーのためのリベラルアーツコース」(社外・選抜型研修)

次世代の経営層・経営幹部を育成する選抜型の公開プログラムです。哲学、宗教、歴史、国際社会について学び、各界の第一線で活躍する知識人や専門家との対話を通じて「自分なりのものの見方・考え方の軸」を鍛え上げます。京都合宿を通じて日本人としてのアイデンティティを深く考察できるのも大きな魅力です。

「リーダーのためのリベラルアーツ(古典・教養)」(社内・講師派遣型研修)

組織ごとの課題やニーズに合わせてカスタマイズが可能な、社内向け研修プログラムです。 東洋思想(中国古典)、西洋哲学、日本人の精神性などを幅広く学んだうえで、自社の経営課題を直接リベラルアーツの視点から捉え直すことができるのは、社内研修ならではのメリットです。

将来のビジネスリーダーを育成・輩出するためにも、ぜひ「リベラルアーツ」を組織の学びに組み込むことを検討してみてはいかがでしょうか。

■現代の経営幹部育成(サクセッション・プラン)については下記記事でもご紹介しています。
業績優秀な部長が優れた経営幹部になるとは限らない?その理由 >>

■経営幹部育成の論点をまとめた記事はこちら。研修企画に向けた議論にもお役立てください。
【社内議論用サマリー】自社の次世代リーダー育成、このままで大丈夫?〜サクセッションプラン4つの要点〜 >>

■経営幹部育成についてJMAの担当者が語るインタビュー記事(全3回)。育成の現場で感じる課題やその解決法についてさまざまな角度から語っています。
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