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2年目の危機?若手社員の離職対策

公開日:2024/07/16 更新日:2024/07/16

新入社員から立場が変化することで悩みの増える2年目社員。最近では新入社員との待遇の差による2年目の離職危機も話題になっています。2年目社員にはどのような悩みがあるのか、またその悩みの解決法を知り、若手社員の離職対策を強化しましょう。

2年目社員のモチベーション低下とは?

ここ数年、企業が人材確保のために新入社員の初任給をアップする動きが出ています。一方で、2年目以上の既存社員の給与はそれに連動しないため、新入社員の給与のほうが2年目の社員よりもが高くなる逆転現象も起こっています。これに加えて入社2年目は住民税の天引きによる手取りの減少も起こるため、給与面での不満がモチベーション低下を招きやすいという事態が起こっています。

以前からある2年目社員の悩みとは?

そもそも、まだ中堅社員とは言えない2年目社員は、特有の悩みを抱えています。企業が取るべき対処法を検討するために、2年目社員の悩みの原因を知っておきましょう。 

サポートが減少することによる孤独感

入社1年目は教育期間という意味合いもあり、新入社員研修のほか上司や先輩からも手厚いサポートがあります。しかしおおよその仕事の流れもわかってくる2年目には、周囲からの声かけやサポートが減り、孤独感を抱きやすくなります。

周囲からの期待とできることのギャップの大きさ

2年目は急に周囲からの期待が高まる時期でもあります。しかし実際にはできることと期待とのギャップが大きく、期待に応えられない焦りが悩みとなりがちです。同期との比較もされやすく、「自分は仕事ができない」と落ち込む人もいます。

「仕事に慣れる」=「仕事ができる」という勘違いから生まれる不満

逆に、仕事に慣れてくると、まだ一人前と言えないレベルなのに、「完璧でなくてもある程度できればいい」と妥協してしまうことがあります。「仕事に慣れる」=「仕事ができる」という勘違いは、仕事に対する努力や成長機会を止めてしまいます。目の前の仕事に成長実感が得られなくなると、外部へ成長の機会を求めるようになり、離職してしまう恐れもあります。

先輩としてのリーダーシップを求められることの負担

2年目になると周囲からの期待や結果を求められてプレッシャーも増すと同時に、先輩として新入社員をまとめるリーダーシップも求められ、新入社員の頃に比べて一気に負担が増加します。

もともとあるこのような悩みに待遇面での納得感のなさが加わることで、さらなるモチベーションの低下が起こっていると考えられるでしょう。

2年目社員の悩み解決のために周囲ができること

2年目社員に、抱えている悩みを乗り越えて活躍してもらうには、周囲のサポートが不可欠です。育成担当者として、たとえば以下のようなことを意識してみるとよいでしょう。 

期待と役割を具体的に伝える

人は期待されるとそれに応えようと成長するものです。育成担当者は2年目社員としての期待と役割を具体的に伝え、業務で実践できるように行動レベルにまで落とし込みをしていきます。

成長実感と課題に対し危機感を持たせる

仕事を通じて自身の成長を実感できると、自信がつき業務に集中しやすくなります。たとえば、「1年間で成長したことの振り返り」をするなど、成長実感の演出が効果的です。同時に仕事のプロセスを認め、仕事ぶりに対して「よくやってくれるから助かっている」と感謝を伝えてみましょう。同時に「できていない、足りないこと」の振り返りも大事です。課題を認識させ、できていないことへの危機感を持たせることが成長につながります。

壁を乗り越えるイメージを持たせる

2年目は仕事の範囲が広がりより成果を求められるようになる分、壁にぶつかるケースも増えていきます。そこで、壁は乗り越えられるんだとイメージさせることが重要です。とくに活躍中の先輩社員の失敗体験談は響きやすいもの。壁を乗り越えるために必要な、周囲との信頼関係作りの築き方や重要性も合わせて伝えるとよいでしょう。

助けを求める権利を与える

難易度の高い仕事を任せる際には、追い込まれた状態のまま終わってしまわないよう挑戦に対し安心感を持たせることも重要です。「うまくいかなかった時には、まわりに助けを求めていい」と伝えることで、安心してチャレンジできるようになります。ストレス耐性の強化も期待できます。

2年目社員のケアに役立つ研修

2年目社員が抱える悩みを解消するには、研修によってケアすることも可能です。2年目社員本人向けと、育成担当者向けにそれぞれ役立つ研修テーマをご紹介します。

2年目社員向け

図解による「課題と思考の整理術」入門
https://solution.jma.or.jp/service/training/position/position5_6/

仕事の経験値をあげるためには、課題を見つけ、自分の考えをまとめ、相手に伝える能力が必要です。図解による「課題と思考の整理術」を体系たてて学ぶことで、自らの思考の整理だけでなく、相手に伝わりやすい伝え方も身につきます。

 ヒューマンスキルアップ
https://solution.jma.or.jp/service/training/position/position5_2/

2年目社員がこれから発生する壁を乗り越えるためには、周囲とより円滑な人間関係を築くためのコミュニケーション力や表現力が必要です。そこでこの研修では、自己特性を理解し、発表力や対人関係能力を養うトレーニングを行います。

育成担当者向け

育成担当者研修
https://solution.jma.or.jp/service/training/position/position5_3/

2年目社員の成長には、それを導く育成担当者の指導力も関係します。この研修では、育成対象者との信頼関係を作るためのスキル、2年目社員をモチベートする動機づけの方法などを身につけます。

管理職が学ぶモチベーション・マネジメント研修〔導入編〕
https://solution.jma.or.jp/service/training/position/position3_8/

モチベーションを理解し、職場でのモチベーションの見極め方、若手社員のモチベーションを引き出す関わり方などを演習形式で学びます。

アサーティブコミュニケーション習得
https://solution.jma.or.jp/service/training/theme/skill/skill2_2/

若手社員を巻き込みながら仕事を進めるには、若手社員の主張を尊重して聞きながら意見を交わすコミュニケーション力が必要です。ロールプレイ演習を通じ、実践的に身につけていきます。

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