研修を補完する(充実させる)ツール・仕組みの検討|経営幹部育成のSTEPをつかむ!『リーダー育成読本』Vol.8
「これから経営幹部育成研修の実施を考えている方」、「経営幹部育成研修を実施しているが、どうもうまくいっていないと感じている方」へ・・・
JMAのご支援の蓄積から、「経営幹部育成研修の設計」をする上でベースとなる考え方を皆様にお伝えしていくコラムです。
STEP7 研修を補完する(充実させる)ツール・仕組みの検討
ここまでは、基本的な研修企画のポイントを順を追って見てきましたが、このSTEPでは、研修をより充実させるための付加機能についてご紹介していきます。
多面観察(360度診断)
多面観察は、ある設定されたコンピテンシーが備わっているかどうかを、行動ベースの設問で測るものです。
評価者は、「多面観察」という名の通り、上司、同僚、部下の3つの階層に属する人です。
各階層から非評価者の行動を見ることで、被評価者を立体的に捉えることができます。
自分自身の行動を真摯に捉え、強みや課題を確認する良い機会となります。
選抜型の研修では、研修が始まる前に調査を行い、その結果をコースの中の早めの段階でフィードバックする使い方が効果的です。というのは、受講者は、自分の課題を明確にした上で、これから始まる長期の研修に取り組むことができるからです。
メンタリング
メンタリングは、成功体験を伴う役割モデルとして「良き理解者」「良き指導者」「良き支援者」としての役割を果たす人です。
比較的若手のリーダー育成プログラムにとりいれることで、参加者の自立的な目標設定、達成意欲へのコミットメントを促し、研修効果の向上を狙います。
メンターは、メンティ(受講者)に対して、より高い視座・広い視野から研修期間中のメンタル面 のフォローや、研修の成果物を作成していく段階での助言等を行います。
メンター役を担う人はメンティの上司ではなく、他の部署でメンティよりポジションの上の方が適しています。メンタルフォローの側面で見ると、メンターが上司の場合、実務上の関係性を考慮するあまり、本当の悩みが打ち明けられないかもしれません。また、成果物の側面で見ると、適切なアドバイスをもらえる可能性がありますが、視野や発想の広がりの面はあまり期待できません。経営者幹部育成研修を定期的に実施している企業の場合は、過去の卒業生がメンターになるケースもあります。同じ研修を経験していることから、より親身に具体的なアドバイスをすることができます。
講演者の招聘
経営実践力の向上を下支えする「経営者としてのありかた・姿勢」「視野・視座の転換」、「人間としての魅力づくり」というソフトなテーマの学習を、「講演」という形式で実施します。
経営経験者の生の声は、成功・失敗談や自らの行動、生き様からくる自論が示唆深く、モノの見方・考え方の幅を広げます。
また、経営外のテーマ(歴史、宗教、哲学、スポーツ等)の専門家からの話では、物事の本質に対する洞察力、幅広い見識や、多様な考え方を築くきっかけにもなります。
受講者のマインドを鼓舞したり、気づきを最大化することができるので、プログラム全体の価値を上げる有効な仕掛けにもなります。
アンケートの活用
アンケートは、次年度実施に向けた改善のために実施するケースが多いですが、長期に渡る研修の場合は、各テーマごとに都度アンケートを実施することで、研修期間内に改善点が発見できるかもしれません。
各テーマの理解度やそこでの受講者の気づきや疑問を掴むことで、次回以降の続くプログラムにアレンジを加える柔軟さも持っておきたいところです。受講者の反応を細やかに見て“実施しながらつくり込む”努力は、研修の成果を高めることにつながります。
アンケートの作成の仕方やテンプレート例については、こちらのページもご参照ください。
https://solution.jma.or.jp/enquete/
『経営幹部育成研修の設計STEP』
★STEP1 自社の経営者像の明確化
★STEP2 研修の目的とゴールの設定
★STEP3 人選
★STEP4 成果物の設定
★STEP5 研修の構成・流れの設定
★STEP6 学習テーマと内容の設定
★STEP7 研修を充実させるツール・仕組みの検討
経営幹部育成研修の実現をご支援しています
この『リーダー読本』は、「これから経営幹部育成研修の実施を考えている方」、「経営幹部育成研修を実施しているが、どうもうまくいっていないと感じている方」に向けて、進め方のヒントをお伝えするために執筆しています。
JMAソリューションでは、本コラムでお伝えしているプロセスをお客様と共に具体的に検討し、実現を支援いたします。 経営幹部育成研修について課題をお持ちの方は、ぜひご相談ください。
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