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ビジネスの基礎力「クリティカルシンキング」の身につけ方

公開日:2024/08/08 更新日:2024/08/08

クリティカルシンキングは昔からよく知られた思考法であり、研修で取り上げられることも多いテーマですが、ですが、最近、ビジネスで必要な能力としてあらためて注目されています。クリティカルシンキングとはどのような力のことを言うのか、なぜ今必要なのか、その身につけ方などを解説します。

そもそもクリティカルシンキングとは何か?

クリティカルシンキングとは「物事を疑う姿勢・批判的に考え判断する」思考法です。自分や他者の意見や考え方をそのまま受け入れるのではなく、一度立ち止まって「あえて疑う」「問いを投げかける」といった思考習慣のことです。

日本語では「批判的思考」と訳しますが、決してネガティブな意味ではありません。経験や直感だけに頼らず、常識や枠組みにとらわれない客観的な視点で分析し、問題を解決する力と言ってもよいでしょう。

ロジカル・シンキングとクリティカルシンキングの関係

クリティカルシンキングと似た印象を持たれる言葉にロジカル・シンキングがあります。どちらもビジネスにおいては重要な思考法で、問題解決に不可欠な能力という点では同じですが、それぞれカバーしている領域が異なります。

ロジカル・シンキングは、MECE ロジックツリーなどのフレームワークを使い、筋道を立てて論理的に物事を考える、「結論を導く」思考法です。

一方、クリティカルシンキングは、本当に筋道が通っているか、物事を意識的に批判的に考え「検証する」ことに主眼が置かれています。ロジカル・シンキングによって導いた結論を、クリティカルシンキングで検証するイメージです。

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クリティカルシンキングはもう古いのか?

時代の変化によって注目される思考法は変わります。たとえば近年では、「ユーザー起点で考えるデザイン思考がよい」「変化の激しい時代に論理的思考では物事は解決しない」「常識にとらわれない自由思考法としてアート思考が必要だ」といった議論もあります。そのため昔からある「クリティカルシンキング」が「古い」思考法といわれることもあるようです。 

しかしクリティカルシンキングは、こうした思考法とは全く別の観点から考える思考法であり、いつの時代にも必要なスキルです。むしろ「今の時代だからこそ欠かせない」ということもできるのです。

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改めてクリティカルシンキングが重要とされる理由

今の時代だからこそ「クリティカルシンキング」が欠かせないのはなぜか、その背景として次のようなことが挙げられます。 

未知の問題が増えた

ビジネス環境の変化により、これまで直面したことがないような「未知の問題」が増加しています。未知の問題を解決するには、常識や経験はあまり役に立ちません。むしろ、経験や知識に頼らず、客観的な視点で論理的に考えるクリティカルシンキングが必要といえます。

課題の発見が求められている

取り組むべき課題が明確だった時代には、それを解決することを考えればよかったと言えますが、現代は、まず「どこに課題があるのか」を理解することが求められる時代です。

により課題設定自体が間違っていてはいつまでも解決に至りませんが、「クリティカルシンキング」によって思い込みを捨てることで、真の課題発見ができるのです。

多様なコミュニケーションが必要

価値観の多様化する現代においては、今まで以上にコミュニケーションの難易度が挙がっています。クリティカルシンキングが身につくと、「誰に」「何を」「どのような順番で」と、相手にわかりやすく伝えることができ、また相手が話していることを正しく理解できるため、スムーズなコミュニケーションにつながります。

従来以上に仕事の効率化が求められている

さまざまな理由で生産性アップを求められる今、業務の効率化は大きな課題ですが、そのためにもクリティカルシンキングは役立ちます。たとえば資料作成する際、テーマ・結論・具体策など明確な意図を持って作成することで、手戻りなく短時間でクオリティの高い資料を完成できます。またプロジェクトにおいてバイアスのかかった発言があった場合も、本質ではない部分に気づきやすく、合意形成がスムーズになります。

クリティカルシンキングをどう身につけるか

客観性が重要となるクリティカルシンキングは、自然に身につくスキルではなく、知識のインプットだけで身につけることもできません。次のようなプロセスを、随時アウトプットしながら繰り返すことで身につけることができます。

(1)課題の中の違和感を見つける

課題となっている事象の中に、違和感がないか、「本当にそうか」を考えます。

(2)あえて疑う

(1)で抱いた違和感が、思い込みによるものだったり、表面的情報にとらわれた結果だったりすることがあります。抱いた違和感に誤りがないか、あえて疑います。

(3)仮説を立てる

疑ってみた結果をもとに、新たな課題や矛盾点を書き出し、仮説を立てていきます。 

(4)検証する 

立てた仮説が正しいのかを検証していきます。そのためには、できるだけ多くの情報を集めることが重要です。

 

クリティカルシンキングを身につけるには、こうしたサイクルについて、他者からフィードバックを受けることも重要です。フィードバックにより、自分では気づけなかった思考のクセを知ることができます。そのため、クリティカルシンキングを身につけるには、研修のように、アウトプットができてフィードバックの受けられる学びの場が欠かせないと言えるでしょう。

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