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公開日 : 更新日 : DX時代に必須!プログラミング的思考の定義・効果・習得方法

現在、プログラミングは小学校でも必修化されていて、ビジネスの現場においても「プログラミング的思考」が注目されています。ただし、ここで言うプログラミング的思考とは、プログラミングそのものを習得することではありません。この記事では、「プログラミング的思考とは何か?」という基本から、その重要性、ビジネスでの活用法、そして具体的な身につけ方までを詳しく解説します。

プログラミング的思考とは何か?定義と基本の考え方

プログラミング的思考とは、目的を達成するために必要な行動を細かく分解し、順序立てて実行するという思考法です。単にゴールを達成するだけでなく、「効率化」「仕組み化」「自動化」といった視点を加えることが特徴です。

たとえば、地図アプリが「現在地から目的地までの最短ルート」を導き出す仕組みには、まさにこの思考が活かされています。論理的思考の一種でありながら、実践的かつ最適解の導出に特化している点が大きな特長です。

なぜ今、プログラミング的思考が求められているのか?

ビジネスにおいてプログラミング思考が求められるとはどういうことなのでしょうか。その背景には次のような事情があります。

情報過多と業務の複雑化への対応

現代のビジネス環境では、膨大な情報が飛び交い、業務も多様化・複雑化しています。そうした中で、情報を論理的に整理し、段階的に処理するための思考のフレームワークとしてプログラミング的思考が役立ちます。

DX(デジタルトランスフォーメーション)推進の土台として

DXを進めるには、単にツールを導入するだけではなく、業務自体を分解・最適化し、再設計する力が求められます。プログラミング的思考ができれば、非効率な業務をそのままデジタル化するといった失敗を防ぐことができます。

国際化と構造的コミュニケーションの必要性

グローバル社会では、「察する文化」ではなく、誰にでも伝わる構造的・論理的なコミュニケーションが求められます。プログラミング的思考はそうしたコミュニケーションのための有効な手段になり得ます。

プログラミング教育世代との共通基盤として

今後、プログラミング教育を受けた世代が社会に増えていく中で、共通言語としてのプログラミング的思考は、世代間の円滑なコミュニケーションや協働に役立つと考えられます。

プログラミング的思考に必要な5つのスキル

プログラミング的考えるにはどのような力が必要とされるのか知っておきましょう。これらの力は日常生活、日々のタスクなどを「設計→実行→評価→改善」に落とし込むことで、誰でも鍛えることができます。

分解力(課題の細分化)

複雑なタスクを小さなステップに分けて理解する力。たとえば「カレーを作る」という行為を、「具材を選ぶ」「切る」「炒める」「煮込む」などの工程に分けて考えるような考え方です。

組み合わせ思考力(工程の最適化)

分解した要素を、適切な順序や組み合わせで再構築する力。順番が違うだけで成果が大きく変わることもあります。カレーの例で言えば、分解した工程を正しい順序で進めなければおいしいカレーはできない、ということになります。

シミュレーション力(仮説と検証)

実行前に手順を頭の中でシミュレーションし、想定される問題を事前に予測する力。予測して実行した後に振り返りを行い、改善につなげるプロセスも必要です。

抽象化力(本質の抽出と応用)

経験から共通項やパターン、本質を見つけ出し、他の場面に応用する力。たとえば「炒めた野菜は煮込み料理にコクを加える」という気づきが応用力につながります。

言語化・一般化力(再現可能な知識の構築)

自分の知見や手順をわかりやすく言語化・整理し、他者にも伝えられる力。レシピのように再現性のある形式にまとめるスキルです。

プログラミング的思考のビジネス活用と効果

実際にビジネスシーンでプログラミング的思考を活用する場面としては、次のようなことが考えられます。

業務効率化とタスクの可視化

複雑な業務フローを分解し、ムダな手順を省くことで、業務の短縮化と可視化が実現できます。AIやRPAの活用とも親和性が高く、自動化による精度向上にも貢献します。

業務改善と生産性向上

課題を構造的に分解し、段階的に改善することで、生産性の向上につながります。異なる要素の再構成によって、新たなアイデアの創出も可能です。

DX推進における業務設計力の基礎として

「分解→ルール化→仕組み化」という流れを設計する力は、DX成功のカギとなります。ツール導入を単なる作業で終わらせず、継続的な運用と改善に結びつけるために必要不可欠な力と言えます。

日常でできるプログラミング的思考力の鍛え方

プログラミング的思考は業務や日常生活の中で鍛えることができます。その実践例を3つ紹介します。

日常生活での実践

先ほどのカレーづくりの例のように、買い物や料理、会議の準備など日常のタスクにおいて、分解・組み合わせ・シミュレーション・改善などの工程を意識して行うことで、自然とプログラミング的思考が鍛えられます。

学習アプリや教材の活用

ゲーム感覚でプログラミング思考を学べるアプリやロボット教材もあります。楽しみながらステップを追うことで、初心者でも無理なく理解を深められます。

業務での「小さな自動化」

RPAなどのツールを使った自動化を、まずは簡単な業務から始めることは、実務でのプログラミング的思考の実践の第一歩におすすめです。

 

プログラミング的思考とは、単なるITスキルではなく、AIやDXが当たり前の時代を生き抜くための「思考のインフラ」です。日常の生活や業務を通じて鍛えることも可能ですが、今後、「ロジカルシンキング」のような基本の思考法の一つとして、研修で学ぶ意義も十分にあるテーマだと言えるでしょう。

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