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公開日 : 更新日 : 慣れた時期こそ要注意!新入社員の退職への兆候に気づいて対処する
新入社員が研修・配属を経て仕事に少しずつ慣れてきた頃になって退職を考え始めるケースがあります。周囲が新入社員の退職の兆候を見逃さないために、また、兆候に対して対処するために、どういう点に気をつけるべきかを解説します。
新入社員の退職は企業の大きな損失
苦労して採用し、新入社員研修や育成にリソースを投じた新入社員が離職すると、それまでの投資が無駄になるだけでなく、組織の人手不足や育成計画の見直しなど、企業にとって大きな損失になります。入社時には問題がないように見えた人でも、配属されたタイミングでいわゆるリアリティショックを感じて退職してしまうケースもあります。
せっかく採用した人材に長く働いてもらうためには、さまざまなタイミングで退職の兆候が現れる可能性があることを理解し、適切に対応する必要があると言えるでしょう。
新入社員が退職を考えている兆候
退職を考えている新入社員にはいくつか兆候があります。突然の離職を回避するには、まずは周囲がそれに気づくことが必要です。たとえば次のようなことは、注意の必要なサインと言えます。
コミュニケーションの減少
退職を考えている人は、周囲との雑談や相談が少なくなり、距離を置こうとする傾向が見られます。一人でいる様子が目立ってきたら要注意です。
発言量の減少
会議などでの発言や質問が減って受け身になっているようであれば、業務への関心やエンゲージメントが低下している可能性があります。
勤務態度の変化
遅刻や早退、欠勤の頻度が増える背景には、ストレスや職場不適応があるのかもしれません。また「もともと残業優先の働き方」をしていた人が定時できっかり退社するようになった場合は、すでに転職活動を始めているケースもあります。
身だしなみの変化
心境の変化は身だしなみに現れやすいです。もともとカジュアルな服装だった人がきっちりとした服装になったら、転職活動のためかもしれません。逆に身だしなみがだらしなくなった場合、精神的に疲労して仕事に対してモチベーションが低下しているケースもあります。
ネガティブ発言の増加
フィードバックを素直に受け入れず、不満・愚痴の回数が急増するのは、反発心の高まりや仕事に対しての熱意の低下を知らせるサインです。
退職の兆候が見られたらどう対応するか
新入社員に退職の兆候が見られた場合、まずは1on1ミーティングなどで本人に話を聞く場を設けることが重要です。そのことが、本人の状況や背景を確認し、不安や悩みを整理する手助けとなるでしょう。
正式配属後の役割と実際の仕事とのギャップに悩んでいたというケースや、上司や先輩とコミュニケーションが取れないといった孤独感で不安を感じている可能性もあります。そうした不安や悩みを捉え、ケアすることができれば、退職のリスク減少につながるでしょう。
新入社員の離職を防ぐために有効な研修
不安や悩みのケアとともに、以下のような研修を行うことも有効です。
ストレスを緩和する学び
ストレス耐性を高め、困難な状態にも折れない心を養うことは、新入社員特有の悩みを乗り越える手助けになります。
人に相談する力をつける学び
悩んだときに人に相談するのにも一定のスキルが必要です。相談する力、自分の言いたいことをうまく伝える力の育成が、本人が悩みや不安を解消するのを助けることにつながります。
周囲が若手をモチベートする力をつける
モチベーションは周囲から言われて上がるものではなく、本人の内側から引き出す必要があります。上司や先輩社員など、周囲が本人の主体性や自主性を引き出す力をつけることは、新入社員のモチベーションアップを支えます。
職場の雰囲気を改善する学び
職場の人間関係が良好であることは、離職を食い止める大きな要因になります。新入社員のサポート側である上司やチームのリーダーがチームビルディングを学ぶことは、メンバーとの信頼関係や一体感を作るのに役立ちます。
新入社員のよくある退職理由を再確認する
そもそも、新入社員が離職してしまう原因としてどんなことがあるかを知っておくことも重要です。たとえば、新入社員の代表的な退職理由としては以下のような点が挙げられます。研修の実施以前に、こうした点についても改善する必要があります。
労働条件への不満
過度な残業や多すぎる業務量、待遇など、労働条件に関する不満は退職理由に直結します。新入社員が将来に向けて希望を持てるような条件の整備は欠かせません
良好でない人間関係
新入社員は、まわりに頼れる相手が少なく孤独を感じやすいものです。「上司が高圧な態度で相談しづらい」「コミュニケーションの機会が少ない」と感じずに済むような環境整備が必要です。
仕事内容の不適合
入社前と入社後の業務内容に大きな差があると、モチベーションが下がります。期待と現実のギャップが生まれないような説明が求められます
過度な成果を求められる
「できないことをさせられる」と感じると、新入社員は理不尽に感じるものです。教えていないことで過度な成果を求めたり、待遇に見合わない大きな責任を負わせたりしていないか、点検が必要です。
希望する働き方ができない
リモート勤務や副業など、希望する働き方が叶わないと感じると、退職を検討する傾向は若手によく見られます。多様な働き方を認めることも必要かもしれません。
キャリア展望が不透明
現代の若手社員にとって、成長イメージが持てないことは大きな問題になり得ます。新入社員が成長イメージを持てるよう、企業としてのビジョンやキャリアパスを明確にすることも重要です。
せっかく業務や会社に慣れてきた新入社員が退職してしまうことは、企業にとっても大きな損失となります。初期段階で一人ひとりに寄り添い、対話・研修・環境整備を重ねることで、新入社員が安心して働き続ける基盤を作りましょう。
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