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「戦略思考」で組織を強くする

公開日:2021/11/12 更新日:2023/09/14

「戦略思考」は組織を強くするために必要なスキルです。現場マネジャーや管理職層が身につけておかなければならない「戦略思考」と、その高め方を考えてみましょう。

戦略思考とはどういう考え方か?誰が身につけておかなければならないか?

「戦略思考」のビジネスにおける意味は、事業計画の実現のための戦略を立て、メンバーを巻き込みながら必要な変革をけん引する考え方といえます。

現在、日本の企業は世界の競争に勝ち残るため、次々と変革を進めています。その一つが「自律分散型組織」の構築です。これは、現場に近いミドルマネジメント層が自律的にビジョンや戦略を立て、早く大胆に決断できる組織のことをいい、VUCA(※)の時代においては理想的な姿とされます。そのため自律分散型組織では、現場を束ねるマネジャーやその候補、リーダークラスの人が「戦略思考」を身につけておく必要があります。

Volatility(変動性・不安定さ)、Uncertainty(不確実性・不確定さ)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性・不明確さ)

「戦略的マインド」と「戦略的思考スキル」

JMAの考える「戦略的な思考力」には、マインド(意識・姿勢)とスキル(考える力)のふたつの要素が含まれ、さらにそれぞれが複数の要素で成り立っています。その要素を詳しくご紹介しましょう。

戦略的なマインド(意識・姿勢)

戦略的マインドは、主に下記の6つの要素に分解されます。

  • 大局将来志向…物事を局所的ではなく大局的に全体から将来を捉えようとしている
  • 多様検証志向…さまざまな事象を単一的な視点ではなく、多様な視点から検証しようとしている
  • ゼロベース志向…過去や現在からの延長線上ではなく、ゼロベースで思考しようとしている
  • 不確実受容志向…既に明らかになっている確実なことではなく、不確実な将来を受け入れようとしている
  • 論理仮説志向…論理的に仮説を構築し、仮設に基づいた行動をとろうとしている
  • リスク受容志向…リスクへの対応策を考え、かつ、残されたリスクを受け入れた上で行動しようとしている

戦略的な思考スキル(考える力) 

戦略的スキルは、主に下記の6つの要素に分解されます。

  • ビジョン思考…将来、達成したい状態や目標を自ら考え出し、他者へ伝えることができる
  • 多面思考…物事を多様な角度から見て考え、検証することができる
  • 非連続発想…過去の成功体験や既定路線に左右されず、非連続的に発想することができる
  • 仮説思考…見えないことに対して適切な仮説を構築することができる
  • シナリオ構想…目標を達成するためのシナリオやストーリーを論理的に組み立てることができる
  • 意思決定…多様な方向や方法の中から、自身がとるべき方法を適切に決めることが

継続的に戦略的思考力を発揮するには、このような「マインド」と「思考スキル」の双方を持ち合わせていることが極めて重要です。

戦略思考をどう鍛えるか?

戦略的マインドも戦略的思考スキルも、生まれもった先天的な能力ではなく、実際の職場で、様々な実践の場面で、仮説検証をしながら最適解を決定する営みを繰り返すことによって身につけられます。その行い方、鍛え方のポイントをご紹介します。

1)戦略思考力の現状を自己認識する
現時点で身に着けている戦略思考力の強みや弱みを、アセスメント等で客観視することで、学びの必要性を感じ、自律的にその力を高めていこうとする行動につながります。

2)知識を得る
個々の学びは、まず戦略の骨組みを考え、実行するための知識を得ることから始まります。実際に戦略思考を発揮することが求められるミドルマネジメント層に至る前から、戦略思考に必要なフレームワークや思考プロセス、発想方法等の必要知識獲得の準備を始めていることが重要です。

3)実践の場で困難な課題に取り組む
習得した知識を活用して、未体験の困難な課題解決に取り組むことを何度も経験する中で、自分なりの戦略思考の実践力は磨かれます。限界を越えるプロセスで、思考や行動の幅も広がっていきます。

「戦略思考力アセスメント」で個人と組織の“現在地”がわかる

社員の戦略思考力を鍛えたり、組織を強くしていくためには、個人と組織の戦略思考力の現在の傾向を客観的に知ることが必要です。その有効なツールとして「戦略思考力アセスメント(※)」があります。このアセスメントは、企業の戦略策定支援に関わるコンサルタントが設計・評価をおこなっており、前述したマインドと思考スキルを分けて12の要素で測定できる効果的な診断です。

※戦略思考力アセスメント

https://solution.jma.or.jp/business-strategy/

※『戦略思考力アセスメント』を活用した次世代経営幹部育成とは?ウェビナーレポート

https://solution.jma.or.jp/column/c211112-02/

まとめ 

これまではトップマネジメントが持っていれば良いとされた戦略思考力は、より現場に近いミドルマネジメント層に求められるようになりました。ミドルマネジメントへの権限移譲と計画的育成が、企業の生き残りを左右する重要課題となるなか、戦略思考力の育成がますます急がれるといえるでしょう。

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