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公開日 : 更新日 : リーダーに求められる「目標設定力」とは何か
企業が成長し続けるには、明確な目標を掲げ、組織と従業員とで目標を共有しながら達成に向けて取り組んでいくことが重要です。そこでリーダーに求められるのが「目標設定力」です。「目標設定力」とは何か、設定のポイントなどを紹介します。
目標設定とは何をすることか?
目標設定とは企業や従業員が目指すゴール(目的)を達成するために、必要な行動やプランを指針として示すことです。言い換えれば、「何を」「いつまでに」「どのように進めるか」などを具体的に設定すること。きちんとした目標が設定されていると、とるべき行動が明確になるため従業員のモチベーションも上がります。
「目標」と似た言葉に「目的」がありますが、業務の上での意味はやや異なります。目標が具体的な「行動指標」であるのに対し、目的は目指すゴールです。たとえば、企業の目的が「事業を拡大したい」「売上を伸ばしたい」である場合、「今期に新規部署を設立し、前年比10%増の採用を目指す」「年間売上高を20%アップさせたい」などが目標とだといえます。
適切な目標設定ができているとどんなメリットがあるか
適切な目標設定することは次のようなメリットにもつながります。
モチベーションが上がる
目標設定によってゴールに向けてやるべきことが明確になるため、従業員個人のモチベーションアップが向上します。組織全体のチーム力も高まり、生産性の向上にもつながるでしょう。
進捗管理がしやすくなる
目標が数値化されていると、進捗確認がしやすくなります。予定よりも作業が遅れているようなとき、早めにリカバリーや進め方の見直しができ、大きなトラブルを避けることができます。
従業員のスキルアップや自信につながる
目標があれば、その達成に必要な新しいスキルの習得にも意欲的になれるでしょう。目標達成したことで従業員の自信につながることも期待できます。
納得感のある人事評価がしやすくなる
数値目標の達成度や行動を元に人事評価しやすくなります。明確な基準に沿った評価であれば、従業員の納得も得やすくなります。
適切な「目標設定」とはどのようなものか?
「目標設定」による効果を高めるには、その目標が適切な者でなければなりません。米国の心理学者エドウィン・ロック氏が提唱した「目標設定理論」によると、モチベーションを高める適切な目標設定には、以下の3つの要素が関係しているといいます。
努力することで達成できる120%レベルの目標
目標は、簡単すぎず、極端に難しすぎないレベルがベストです。現在の能力を100%とすると120%の力で到達できる目標がよいとされています。達成に向けて努力が必要な目標を設定する点が重要です。
定量的で具体性のある目標
「契約をたくさん取りましょう」といった抽象的な目標よりも、「毎月10社の新規契約を取りましょう」と定量的で具体的な目標にすることもポイントです。目標の達成に向けて具体的にどのような行動をすればよいかが明確になることで、行動も効率的になるでしょう。
フィードバックを伴っている
目標設定には、適切なタイミングでフィードバックを組み合わせることで、よりモチベーションが高められます。目標設定期間が終了してからではなく、期間中にリアルタイムでフィードバックを行うことが効果的です。
リーダーが目標設定するために理解しておくべきこと
では、適切な目標設定をするためにはどういった点を押さえておく必要があるでしょうか。
全社・組織の方針を理解する
企業の目的を達成するには、全社・組織の方針に沿った目標設定をすることがポイントです。そのため、リーダーは全社・組織の方針や現状を理解している必要があります。
組織の現状の課題を知る
目標を達成するためには、組織の現状を理解し課題や改善点を特定する必要があります。目指すべき理想と課題を知ることで、実現可能性の高い目標設定ができるようになるでしょう。
具体的な目標にする
目標を達成するには、アクションプランと期限の設定も大事です。「何を」「どのように」「いつまでに」と具体的に設定すると、進捗管理しやすくなります。中間目標を立てて、従業員に達成感を実感させるのもモチベーションを保つコツです。
目標設定によく使われるフレームワーク
目標設定に有効なフレームワークを知っておきましょう。
SMARTの法則
以下の5つの要素の頭文字をとったフレームワークです。
Specific:明確で具体的な目標
Measurable:測定可能な目標
Achievable:達成可能な目標
Realistic:全社・組織目標に関連した目標
Time-bound:明確な期限を定めた目標
たとえば「組織の売上を10%上げる」という目標にSMARTの法則を使う場合、「メンバー1人につき、月10件のアポイントを獲得し、うち3件は成約目標とする」これ「いつまでに達成する」というように、具体的な数字や期限を当てはめていきます。
ベーシック法
ベーシック法では、以下の4つのステップに合わせて目標設定します。
- 何を達成するかを決める。
- ゴールを決める。
- 期限を決める。
- 達成手段を決める。
OKR
OKRとは、Objectives and Key Results(目標と成果指標)の略称です。挑戦しがいのある「野心的な目標(Objective)」を立てて、「やや難しい成果指標(Key Results)」を設定していきます。
たとえば企業の「年間売上10億円を達成する」という目標であれば、その目標に対して複数の成果指標を設定していきます。「毎月の新規契約数を対前年比較で5%増やす」「1人当たりの売上目標金額を現状の5,000円から6,000円にアップする」「顧客満足度を1ポイント引き上げる」のような成果指標が考えられるでしょう。
KPIツリー
企業や組織としてのKGI(重要目標達成指標)を達成するために、必要な指標、KPI(重要業績評価指標)ツリー状にして可視化するフレームワークです。
たとえば店舗の売上を「1か月で100万アップさせたい」という目標を達成するには「客単価を○円上げる」「問い合わせ数を○件増やす」「新規顧客を○人獲得する」など具体的な指標を設定します。さらに具体的な施策として「リピーター特典施策を強化する」「SNSを毎日更新する」「クロージング力を高める」などのアクションプランを設定します。こうしたアクションプランのおかげで進捗管理がやすくなるのもメリットです。
リーダーが目標設定力をつけるために学んでおきたいこと
リーダーに必要な目標設定力を身に付けるには、下記のような研修も役立ちます。モチベーションの高い組織を作るためにも、ぜひ検討してみはいかがでしょうか。
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組織における管理者の立場、果たすべき役割を学びます。部下の成長をサポートするために欠かせない、明確なゴール(目的や目標)や課題の設定、目標に対する進捗管理、部下へのフィードバックなどを、トレーニングを通じて身につけます。
新任管理者として、部下が働きやすい組織作りを学びます。「経営課題からの目標・課題設定法」や「部下の動機づけを高めるアプローチ法」など、グループ討議をしながら身につけます。