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公開日 : 更新日 : モチベーションを高める「フロー状態」のつくり方
「フロー状態」は、目の前の課題に深く没入し、時間を忘れるほど集中した状態のことです。この状態に入ることで、仕事の生産性や創造性が向上し、ストレスも軽減されるため、個人のモチベーションや成長を促すこともできます。本記事では、フロー状態の特徴やメリット、さらに個人や組織でこの状態を作り出すためのコツを紹介します。
「フロー状態」とは何か
フロー状態とは、アメリカの心理学者ミハイ・チクセントミハイ(Mihaly Csikszentmihalyi)が提唱した概念で、目の前の物事に深く集中し、時間を忘れてしまうほどの没入する状態のことをいいます。成長を実感しながら充実した日々を過ごせるゾーンとされ、フロー状態に入ると幸福感が高まるとも言われています。仕事の場面では、フロー状態は集中力や創造性が高まり生産性向上につながると言えます。
フロー状態の特徴
フロー状態に入っている時の特徴にはつぎのようなことが挙げられます。
集中力が高まる
フローに入ると集中力が高まります。雑念がなくなり、目の前の仕事に集中できます。
ストレスを感じにくい
人は暇になると不安や恐れを感じやすくなると言われますが、目の前の活動に没頭した状態になると、過去や未来など他のことが気にならなくなり、不安や恐れなどのストレスを感じにくくなります。
自意識が薄れる
目の前のことに集中すると、その他のことが意識の外に追いやられ、結果的に他人の目などを気にしなくなります。
時間感覚が変化する
目の前のことに没頭することで、あっという間に時間が過ぎた感覚を覚えます。
活動と動機が一致する
フロー状態自体にやりがいが感じられるため、内発的な動機で行動している状態になり、より意欲的に、楽しんで取り組むことができます。
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フロー状態に入ることのメリット
フロー状態は仕事に取り組むうえでもさまざまなメリットをもたらします。たとえば以下のようなことが言えるでしょう。
生産性の向上
集中力や創造性が高まり、さまざまな面で生産性向上につながります。
ストレスや疲労感の軽減
仕事が楽しくなり、ストレスや疲労感を感じにくくなります。
自己成長の促進
スキル向上のスピードが早くなります。自分が取り組んでいることは達成可能だという自信もわきます。
創造性の向上
新しいアイデアや解決策が生まれやすくなります。
モチベーションの維持
内発的動機づけができ、継続力が高まります。
フロー状態を作り出すためのコツ
人がフロー状態に入るにはいくつかの条件があります。これを踏まえ、組織としてできること、個人としてできることを考えてみましょう。組織全体でフロー状態を高めるための環境づくりができれば、会社全体の生産性の向上も期待できます。
個人でできること
集中できる環境を整える
作業に集中できるように、メールやアプリの通知など気が散るものを減らします。デスクの上を整理することも、気が散らないようにするためには重要です。また、睡眠不足やストレスはフロー状態を阻害する要因となるため、日頃の健康管理も重要です。
マルチタスクをやめる
フロー状態に入るには、1つのことに集中することが重要です。言い換えると、脳は一つのことにしか集中できないとも言えます。マルチタスクをやめて、一つの仕事に集中してみましょう。
無理にフロー状態に入ろうとしない
人は、何かをコントロールしようとすればするほど、コントロールできなくなるものです。つまり、フロー状態に入ろうとしすぎるとうまくいかない傾向にあります。なかなかフロー状態に入れないときには、内発的動機を大切に、好きなことから入ることも大切です。
組織としてできること
適切な難易度の仕事を与える
フロー状態に入るには、チャレンジとスキルのバランスが重要だと言われています。課題が簡単すぎると退屈に感じ、難しすぎるとストレスがかかる可能性があります。マネージャーはメンバーのスキルを見極め、やや難しいがクリアできるレベルの仕事や課題を与えましょう。
明確な目標を提示する
明確な目標があると、達成すべきことが明らかになり、フロー状態に入りやすくなります。自分の仕事がどれだけ会社に貢献しているかを理解できると、より達成に向けての意欲が高まるでしょう。
裁量権を与える
フロー状態に入るには、自らコントロールしているという感覚が必要だとされています。メンバーに一定の裁量権を与えることで主体性が生まれると、フロー状態を生み出しやすくなるでしょう。
適切なフィードバックをする
成果や進捗に対する適切なフィードバックを行うことで、目標と行動の方向性の照らし合わせができ、モチベーションを継続できます。
フロー状態は、個人のモチベーションを高め、組織全体の生産性や創造性を向上させる重要な要素です。個人に任せるのではなく、適切な課題設定、明確な目標の提示などを行い、従業員がフロー状態に入りやすい環境を整えることにも意義があると言えるでしょう。