若手・中堅社員研修を導入いただいた化学メーカーA社様。
新人育成期間以降、役職者や管理職手前まで人材育成のイベントがない企業は多くあるのではないでしょうか。
これまで実施されていなかった若手・中堅層への教育に新たに取り組むに至った背景と、期待と成果について、人事グループ長山﨑様にお話を伺いました。
※お客様の希望で、企業名を伏せてインタビューをご紹介させていただきます。
(聞き手:日本能率協会 小板橋一夫)
人材育成上の課題とは?
(小板橋)
本日はありがとうございます。始めに、山崎様の現在のお立場と、役割についてお聞かせください。
(山﨑)
総務人事本部の人事グループに所属しておりまして、立場としては、グループ長をやっております。役割については、採用や教育をはじめとした人事関連全てです。
(小板橋)
御社についてあらためてお聞かせいただきたいのですけれど、社員数は何名ぐらいなのでしょうか。
(山﨑)
単体では、今、730名ぐらいですが、グループ全体だと、海外の現地での契約社員などを含めると2千800名弱です。
ただ、グループ会社の中にも、本社籍で出向している者がおりますので、そういったものを含めると、本体では、プラス200名ぐらいいますので、合わせて930名ぐらいになります。
(小板橋)
社員数が増えていますね。業績も毎年毎年、右肩上がりですからね。
(山﨑)
退職者もいるのですが、ここ数年はコンスタントにまとまった数の新入社員を採用することができています。
(小板橋)
やはり、成長されているなという実感がありますよね。
(山﨑)
最近は中途採用を増やして、総合職のスタッフにおいても、営業強化を図ったりですとか、管理部門に補充したりですとか、そういう傾向が出てきましたので、従業員数も右肩上がりになっているような感じですね。
(小板橋)
今回、JMAに若手中堅社員研修をご依頼いただきました。こちらの研修テーマにつきまして、どんな課題を感じていらっしゃって、どういった背景で研修を企画されたのかというところを、お聞かせいただければと思います。
(山﨑)
そもそも、当社の研修制度は、まず新入社員研修を4月にやって、その後新人フォロー研修があります。しかし、そのあとの公式な研修となると、主任研修まで飛んでしまうのですね。主任研修は、入社8年目になりますので、入社1年目に2つの研修をやりますけれど、そのあとは、もう8年間、何も研修機会がないという状態だったのが事実ですね。私が人事に来てから、もうすでに10何年が経っていますけれど、それ以前からそういうスタイルがずっと続いていたのです。
現場からも、もっと若手を鍛えてほしいという意見も出てきていましたし、人事としてもやっぱりこのままではいけないとは思っていました。そこで、若手・中堅層を対象とした教育ができないかと考えていて、2年ぐらい前から構想を練っていたところだったのです。
若手・中堅社員に教育をする意味
(小板橋)
なるほど、ちょうど若手中堅層の教育の必要性を感じておられたのですね。
私どもが提示しましたカリキュラムは、中堅社員向けのものです。これまで長くJMAを利用してくださって、様々な受講者を見させていただきました。担当している講師とも話していたのですが、恐らく、御社の全社的な課題は、コミュニケーション力とか、問題発見、定義する力といったところなのではと感じていました。
(山崎)
そうですね。先生にも毎年指摘されるところですね。
(小板橋)
その辺りは、この若手中堅クラスにも、付与しておきたいという想いがあったのですか?
(山崎)
それもありますが、「報・連・相」とか、仕事に対する考え方とか、入社1年目、2年目にやるべき内容が、意外と身についていない社員も多くて。その辺りも含めてということですね。
(小板橋)
この「若手・中堅研修」の実施を計画していく過程で、この研修でどういうことをしようかとか、何か悩みとか、不安などがあったということはございましたか。
(山崎)
JMAさんに以前からお願いしている「主任研修」が、学卒で言うと入社8年目、年齢で言うと30歳のタイミングでやる研修になるのですけれど、その主任研修を担当していただいている先生も、「新入社員以来の研修だ」という前提を頭に入れながら講義していただいたと思います。「主任研修」後の先生のコメントにもありましたが、やはり基礎的なスキルがまだ十分ではないとおっしゃっていました。ですからそこをやはりより若いうちにやっておきたいと思っていました。
もう入社して8年も経ってしまうと、そのまま素直に受け入れる人もいますけれど、ある程度思考や行動パターンが固まってしまう人もいます。なので、それよりも若いうちに色々な知識やスキルを伝えていかなければならないという危機感がありましたのでね。
(小板橋)
そうすると、この若手・中堅の研修があることによって、主任の研修も来年以降は、少し内容も変えていく方向ですか。
(山崎)
そうです。その辺りも、今後は少しご相談をしていこうかなと思っていたところです。
いくつかの階層別研修をJMAさんにお願いしていますので、全体の流れとして、JMAさんにうまく設計をお手伝いしていただけると期待しています。
JMAの研修を継続いただいている理由は?
(小板橋)
先ほどお話にもありました今回の「若手・中堅研修」、そして、長らく継続していただいている「主任研修」、そして、「6等級研修」と、3階層の研修をお手伝いさせていただく形になって、本当にありがとうございます。どうしてこのような大切な研修をJMAに任せていただけているのでしょう?
我々が初めて支援をさせていただいてから、もう8年目になりますよね。
(山﨑)
そうですね。長年支援していただいていて、我々の会社のことを、先生も営業の方も良くご理解いただいた上で対応していただいているのが大きいです。
それと、当社のマンパワー不足もあったのですよ。何かやるにしても、人事主導でやっていかなければいけないのですが、やりたいことはあってもなかなか実行することが難しかったというのも、正直ありました。そういう意味で、我々の会社をよく理解していただいているJMAさんなら、という信頼感もあって継続してお願いしているのです。実際に、実務として動くのは、私の上司と私しかいなかったもので。
(小板橋)
そういうところに、ちょうどうまくJMAがソリューションを提供できたということでしょうか。
(山﨑)
そうですね。 当然、これまで長年おつき合いさせていただいているので、うちも思っているところを言いやすいというところもありますし、やっぱり研修を担当していただいている先生の影響が大きいと思いますね。
(小板橋)
なるほど、ありがとうございます。
(山﨑)
ここまで長くおつき合いができているのも、よく我社のことを理解して、事業内容や、社風や、どういうタイプの人材が多いとか、そういうことを先生が熟知されている点が大きいと思います。それらを加味して受講者に接していただけるので、お願いするほうもやりやすいというのがありますね。
(小板橋)
毎回、研修が終了したら、実施報告をさせていただいていますが、「前期と比較して今期の受講生はこんな感じだった」「今期もこういう能力傾向がありました」というような話が講師からありますよね。
(山﨑)
毎年、先生の感想などを聞くと、やっぱりうちの社員って、こういう傾向が強いのかなとかわかるのですよね。
(小板橋)
JMA以外にもお付き合いのある研修会社はあると思いますが、JMAの研修で、こんな点に特徴があるなあと思われるところがありますか?JMAに対する印象みたいなものでもかまいません。
(山﨑)
さきほど申したことと同じになってしまうかもしれませんけれど、やっぱり会社のことを、営業担当者の方にも、先生にもよく知っていただいているという点では、やりやすいところがありますね。
ほかにも、時間の調整、スケジュールの調整といった運営面も、フレキシブルに対応していただけるので助かっています。
今後取り組むべき課題は?-女性活躍推進もテーマに
(小板橋)
これからも引き続きお付き合いをさせていただきたいと思っているのですが、JMAに対してご要望はありますか?
(山崎)
そうですね。営業の方に具体的な要望はありませんけれど、講師を担当する方には、ずばっと本音を言ったり、”ダメなものはダメ”と言っていただけるとありがたいです。
ただ、特に若い世代は”草食系男子”といいますか、大人しい方が多く、直接的にガツンと言われると落ち込んでしまうところがあるので、受講者の反応を見ながらその辺りをうまく言ってもらえると助かります。
(小板橋)
今担当している講師は、言うときは言う方ですしその辺りはうまいですよね。
(山崎)
そういうところがいいと思います。 バランスを見てやっていただけていると認識しています。
(小板橋)
「若手・中堅社員研修」を、新たにご発注をいただいて、本当にありがとうございます。
「主任研修」や「6等級研修」等の階層別研修の建てつけも、いろいろと充実させていきたいというのもあるのですけれど、その他に今後JMAに期待いただいている点などございますか。
(山崎)
これからの当社の課題は、広義で言うと”ダイバーシティー”、狭義で言うと”女性管理職、女性リーダーの育成”といったところになるかと思うのです。
その際に、当社のような会社は、まだそこまで総合職の女性が多いわけではないので、毎年、定例的な研修を設けようといっても、続かないと思います。
単発でも、ダイバーシティーにつながるリーダー研修をやってもいいかなと思っているのですね。
こういったテーマでもJMAに相談しながら対応していければと考えています。
(小板橋)
承知しました。適切なソリューションを提供できるように頑張ります。
本日はありがとうございました。
(山崎)
ありがとうございました。
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