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クリエイティブシンキングで問題解決力を上げる

公開日:2025/01/16 更新日:2025/01/16

テクノロジーの進化やグローバル化などによって、ビジネス環境は日々変化しています。そこでさまざまな問題解決力や発想力を上げるために有効的な思考法の一つとして、クリエイティブシンキングが注目されています。クリエイティブシンキングとは、他の思考法との関係や鍛え方などについて紹介します。

クリエイティブシンキングとは何か

クリエイティブシンキングとは、「既成概念にとらわれない自由な発想」で「新しい視点でアイデアを発想する」思考法です。日本語では「拡散思考」や「創造思考」と訳されます。

クリエイティブシンキングは、拡散的/統合的/包括的/多元的/感性/共感などのキーワードで表現されます。その特徴は、物事を分析するのてばなく全体的に捉えることや、必ずしも正解を求めないといったところにあります。アートやデザインの分野でよく用いられますが、ビジネスも含めた幅広い分野で役立つ思考法と言えます。

他の思考法との関係

クリエイティブシンキングを理解するために、他の思考法との関係も知っておきましょう。

クリエイティブシンキングとロジカルシンキングの関係

ロジカルシンキングは、最も基本的な思考法の一つですが、クリエイティブシンキングはその対極にある思考法と言うこともできます。たとえば、ロジカルシンキングが既存のデータや事実に基づいて答えを導くこと、いわば「収束」を目指すのに対し、クリエイティブシンキングではできるだけ数多くアイデアを出すこと、つまり「拡散」を目指します。

 両者は一見相反する思考法のように見えますが、新しいものを生み出すにはどちらも必要なプロセスです。まずはクリエイティブシンキングであらゆる方向にアイデアを膨らませ、次にロジカルシンキングでデータを分析し、アイデアを実行する計画を立てて形にしていく、といった具合です。

クリエイティブシンキングとラテラルシンキングの関係

クリエイティブシンキングの特徴は、ラテラルシンキングの特徴とよく似ています。ラテラルシンキングは、従来の枠組みや直線的な考えに捉われないアプローチをする思考法で、日本語では水平思考と呼ばれます。必ずしも「正しさ」「論理的統合性」を重視しないところは共通していて、クリエイティブなアイデアの発想のためにラテラルシンキングを活用すると考えるとよさそうです。

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クリエイティブシンキングを実践するための代表的なツールや手法

クリエイティブシンキングは、次のようなんツールを活用すると実践しやすくなります。

ブレインストーミング

集団でアイデアを出し合う手法です。参加者が自由にアイデアを出し、アイデアの量産を目的とします。批判や評価をしないことで、多様な視点から多くのアイデアが生まれやすくなります。

 SCAMPER

SCAMPERとは、Substitute(代替)、Combine(結合)、Adapt(適応)、Modify(変更)、Put to another use(別の用途に使用)、Eliminate(削除)、Reverse(逆転)の7つの指標から考えるフレームワークです。指標を元にアイデアをチェックすることで、よりクリエイティブな思考が可能になります。

マインドマップ

アイデアや思考の流れを、中心となる概念から分岐させて記録していくツールです。マインドマップでは、クリエイティブな発想を促進させるだけでなく、視覚的に思考を整理できるため、情報の整理が進み、アイデアの関連性などを見つけやすくなります。

ルールブレイキング

「自分たちは固定観念に支配されている」という前提に立ち、その固定観念を打ち破っていくことを目指す手法です。

クリエイティブシンキングのメリット

クリエイティブシンキングを強化することで得られるメリットには次のようなことが挙げられます。

問題解決力が上がる

これまでの経験や考え方では解決できなかった課題に対し、新しい視点による問題解決が可能になります。多角的な思考で問題の核心に迫り、創造的な解決策のアイデアを発見できるのがメリットです。

イノベーションが起きやすくなる

既存のルールや固定観念にとらわれず、自由な発想ができるようになります。組織やビジネスモデルなどにおいても革新的なアイデアが生まれやすくなるでしょう。

クリエイティブシンキングの使い方

クリエイティブシンキングをビジネスの場面で活かしていくには、拡散したあとに収束していくプロセスが不可欠です。多角的な視点でアイデアを拡散し、そのアイデアを検証し、形にするために収束させていくことで新しいアイデアが形になるのです。つまり、クリエイティブシンキングは、それを検証するためのロジカルシンキングとセットで実践するべきだと言えるでしょう。

こうした思考法は、既存のアイデアにとらわれない、競争力のある商品や画期的な事業を生み出す原動力となります。また、従来の手法にとらわれない経営や事業改革への取り組みにも活かせるはずです。 

変化の激しいビジネス環境において、クリエイティブシンキングを活用することは、従業員個人の能力だけでなく、企業全体の発展にもつながります。組織力を高めるための新たな思考法として、意識してみるのもよいかもしれません。 

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