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メンタルヘルスに効く!リフレーミングテクニック

公開日:2024/05/14 更新日:2024/05/14

メンタルヘルス対策は、20234月からスタートした厚生労働省の「第14次労働災害防止計画」の重点施策としても盛り込まれた、企業にとっての重要課題の一つです。そこで、そんなメンタルヘルス対策の一つとして、「リフレーミング」というテクニックに注目してみましょう。

リフレーミングとは何か

リフレーミングとは、物事を違った視点で捉えることで、新たな視点や意味を見出すスキルのことです。コミュニケーション心理学(NLP)の中の概念であり、1970年代にカリフォルニア大学のリチャード・バンドラーとジョン・グリンダーにより提唱されました。

リフレーミングに似た言葉に「ポジティブシンキング」がありますが、リフレーミングは単に「ポジティブに考える」こととは異なります。ポジティブシンキングは、前向きな考え方によって人生を好転させるという発想から「何事も前向きに捉える思考」そのものを指します。一方、リフレーミングは同じ物事でも「物事に対する見方を変化させる」ことに重点を置く思考法です。

言い換えればリフレーミングは、「どのような出来事も自分にとってプラスに変換することができる」という考えのもと、メンタルヘルスケアに活用することができるといえます。

 リフレーミングの実践方法

リフレーミングを日常的に実践するには、根本的な思考方法から変える定期的なトレーニングが必要です。一般的に下記のようなトレーニング法があります。

言葉のリフレーミング

「日頃よく使う言葉を別の表現に言い換える」「ネガティブなワードをポジティブなワードに変換する」など言葉の言い換えを実践します。

時間軸のリフレーミング

困難に直面した際に、未来から現在を見る方法です。たとえば「10年後から見たら、今の状態はどのように見えるだろうか」「この困難を乗り越えたら何を学べるだろうか」と未来を思い浮かべることで視野が広がり、解決策を見つけられるでしょう。

何かミスをしてしまった時に「『今のうちに』ミスに気づけてよかった」「『早めに』困難を体験しておけてよかった」と捉えるのも同様です。

解体のリフレーミング

物事の表面だけ見るのではなく、物事を細分化し要因を明らかにする方法です。たとえば困難な課題に直面した際に「難しいから自分には無理」と考えて終わるのではなく、課題を細かく分解していくことで、難しく見えていた課題が簡単に見えるようになります。「自分にもできそう」と思うことができ、解決の糸口が見つかるでしょう。

 wantのリフレーミング

悩みのある現状から理想の状態に視点を変える方法です。仕事の悩みに対して「まずはその悩みをどうしたい?」「悩みを解消するには何をしたらいい?」と問いかけをしていくことで、今できるポジティブな行動が見つかります。

仮説のリフレーミング

「もし〜ならばどうする?」とある状況や立場を仮定して視点を広げるやり方です。たとえば、何かトラブルが起きた時「尊敬する上司の〜さんだとどのような行動するだろう」と問いかけることで、新たな視点で解決法を見つけられることがあります。

日常の業務でリフレーミング活用例

リフレーミングを業務で活用する例として、次のようなことが考えられます。

苦手な人と一緒に仕事をするとき

「意見が合わない」「価値観が理解できない」というような、いわゆる苦手な人と一緒に仕事をする機会もあると思います。その際「一緒に仕事したくない」「なるべく関わらないようにしよう」と思うのではなく、「このような違った視点もあるんだ」「事実に対して異なる捉え方もあるんだ」と考えてみましょう。自分自身では思いつかなかった新たな視点の発見につながるだけでなく、相手に対する苦手意識も軽減できます。

 仕事でミスをしたとき

仕事でミスをしてしまった時「なんで自分はこんなにダメなんだろう」と落ち込むこともあるでしょう。そんなとき、「尊敬する上司ならこの状態をどう切り抜けるだろう」「このミスから学べることはなんだろう」のように考えることで、「この失敗は成長の機会だ」と前向きに捉え、モチベーションを保つことができます。

新しいことに挑戦するとき

異動や転勤、大きなプロジェクトを任せられた時など、やったことがないことに対しては強さや不安がつきものです。「うまく行ったら、一年後の自分はどうなっているんだろう」「半年後にプロジェクトが成功している姿を考えてみよう」と想像することで、挑戦に向けた行動や計画が思いつきやすくなります。

 

このようにリフレーミングは最終的には前向き思考ですが、実践には注意点もあります。それは「失敗した部分についてはきちんと反省する」ということです。ただ前向きになることだけを考えていると、業務の上での問題は解決しないということになりかねません。

リフレーミングのメリットとは

リフレーミングを身につけるメリットには次のようなことがあります。

自信がつく

自分が短所だと思っていることや失敗した経験を前向きに変換できるようになると、自己肯定感が高まり、自信が生まれます。 

モチベーションの向上

困難な状況を新しいチャレンジや成長の機会だと考えられるため、モチベーションの向上につながります。

人間関係の改善

自分の短所を長所と捉え直せるだけでなく、他者に対する捉え方や印象も変わります。相手の立場に立って考え、自分の視野を広げるきっかけとなり、人間関係の改善につながります。

 

リフレーミングを身につけると思考や認知の柔軟性が高まります。さまざまな物事の捉え方ができるようになることで、ストレスや悩みが軽減すれば、日常的なメンタルヘルス対策にもつながるかもしれません。

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