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公開日 : 更新日 : 今、必要なリーダーシップを高める研修

リーダーシップの育成は、組織にとっていつの時代も大きな関心事であり、さまざまな研究が重ねられてきました。現代では、「ビジョンを示す」「メンバーを支援する」などのスタイルが注目される一方、タイプの異なるリーダーシップを使い分けることも必要と言われています。ここでは、さまざまなリーダーシップの型を紹介しつつ、リーダーシップを伸ばすための研修ラインナップをご紹介します。

さまざまなリーダーシップの分類と適した場面

リーダーシップに関する研究は古くから行われてきました。20世紀初頭に生まれた「特性理論」(リーダーシップは生まれ持った才能であるとする考え方)、1940年代頃に登場した「行動理論」(リーダーシップは行動で決まるものであり、教育で身につけることができるとする考え方)を経て、次第に、「リーダーシップは相対的なものであり、どんなリーダーシップが有効かは状況によって異なる」とする「条件適合型理論」、その発展形とも言うべき「コンセプト理論」へと進化してきました。

現在は、リーダーシップには絶対的な正解はなく、複数のスタイルのリーダーシップを状況や局面に応じて使い分けるべきだという考え方が主流になってきています。こうした「状況や局面に応じた使い分け」を前提にしたリーダーシップのスタイルをいくつか見てみましょう。

【レヴィンの3類型】

ドイツ出身の心理学者クルト・レヴィンが提唱した「レヴィンの3類型」は行動理論の流れから生まれたもので、リーダーを「専制型」「放任型」「民主型」に分類し、「最も生産性が高いのは民主的リーダーシップ」と結論付けました。しかし詳しくは、組織の状態によって次のような違いがあると考えられています。

専制型リーダーシップ

リーダーが意思決定し、作業手順もリーダーが指示する。メンバーは受動的。
→長期的には反感や不信感も生まれがちだが、短期的には高い生産性をあげることができ、とくに立ち上げ間もない未熟な組織では有効。

放任型リーダーシップ

メンバーが意思決定し、作業手順もメンバーで決め、リーダーは関与しない。
→組織にまとまりがなく、メンバーの士気、仕事の量・質とも最も低くなるが、メンバーが専門的でレベルが高い(研究者など)ときには有効。

民主型リーダーシップ

リーダーの援助のもと、討議によって意思決定。作業手順はメンバーで決める。
→長期的にメンバー間に友好的な雰囲気が生まれ、一体感が高く、生産性の高い組織になる。

シチュエーショナルリーダーシップ(SL)理論

条件適合型理論の一種であるSL理論では、リーダーの行動を「指示的行動」と「援助的行動」に分け、メンバーの成熟度によって求められるリーダーの型が異なると考えます。

指示型リーダーシップ

指示的行動が多く、援助的行動が少ない。
→新入社員などメンバーの成熟度が低い場合に有効。

コーチ型リーダーシップ

指示的行動、援助的行動ともに多い。
→メンバーの成熟度はまだ低いが、意欲は高い場合に有効。

援助型リーダーシップ

指示的行動が少なく、援助的行動が多い。
→メンバーはある程度成熟してスキルはあるが、意欲が低い場合に有効。

委任型リーダーシップ

指示的行動、援助的行動ともに少ない。
→メンバーの成熟度が高い場合に有効。

ゴールマンの6つのリーダーシップスタイル

「コンセプト理論」の一つに数えられる「EQ型リーダーシップ」(メンバーの感情を重視しながら組織運営を行う)を提唱したダニエル・ゴールドマンは、リーダーシップを6つのスタイルに分類。成果を上げるリーダーはこれらを状況に応じて使い分けていると説きました。

ビジョン型リーダーシップ

ビジョンを明確に示すことでメンバーをまとめ、導く。手順についてはメンバーに任せる。
→組織が変革するときに有効。自立心の育成につながる。

コーチ型リーダーシップ

個人の能力・意欲を尊重し、組織のビジョンと結びつける。個々の成長を促す。
→メンバーのパフォーマンスの向上に有効。

関係重視型リーダーシップ

メンバー間の関係性向上を重視する。成果を上げるには他のスタイルとの組み合わせが必要。
→組織の結束を高めたいとき、ストレス環境下でモチベーションを上げたいときに有効。

 民主型リーダーシップ

メンバーの意見や提案を広く聞き入れ、全員参加のチームをつくる
→アイデアを発掘したいときに有効。合意を得たいときに有効。

ペースセッター型リーダーシップ

リーダー自らが手本を示す。メンバーに認められる高いスキルが必要。
→優秀なメンバーからより高い成果を引き出しいたいときに有効。

強制型リーダーシップ

明確な指示を出すことで、強制力を使って目的を果たす。
→急を要する局面や、立て直しが必要なときに有効。

トランザクショナル・リーダーシップとトランスフォーメーショナル・リーダーシップ

1980年代に、アメリカの心理学者、バーナード・バスらが分析したことで知られるようになった概念で、両者は局面によって使い分けられるべきものとされています。

トランザクショナル・リーダーシップ

メンバーの上げた成果に対し、適切な報酬で報いることで管理する。
→新規事業の立ち上げなど短期的に結果を求められる場面、有事の場面に有効。

トランスフォーメーショナル・リーダーシップ

チームメンバーに自主性と権限を与え、ビジョンを示して啓蒙することでチームを率いる。
→既成概念にとらわれず変革を目指すべき局面に有効。

今の時代、自社に求められるリーダー像とは

大量生産、大量消費の時代には、全員が足並みを揃えて同じ目標を目指すことが成果につながったため、専制型、強制型など、外発的な力で人を動かすリーダーが機能してきました。

しかし、現在のように価値観が多様化し、変化が激しい時代には、個々のメンバーの力を引き出すことが成果につながるため、民主型、ビジョン型のリーダーが求められます。トランザクショナル・リーダーシップとトランスフォーメーショナル・リーダーシップでは後者のほうが重視されますし、倫理観を重視し、自らの価値観や信念を重視するオーセンティック・リーダーシップや、メンバーを支援することで導くサーヴァント・リーダーシップが注目されるのもこのためです。

とはいえそれでも、企業が危機的な状況に置かれた場合など、短期間の成果を意識した支配的リーダーシップが必要になる局面もあります。やはり、置かれた状況によってリーダーシップの使い分けが必要ということになりそうです。

組織診断や従業員調査など、調査を通じた現状把握を行っている企業は増えています。しかし、その結果、どのようなリーダーシップを必要としているかということまでは明確になっていない場合も多いのではないでしょうか。置かれた状況によって必要なリーダーシップが異なることを考えると、把握した現状をリーダー育成に生かしていくことも重要なはずです。

JMAのリーダーシップ研修ラインナップ

JMAでもさまざまなリーダーシップ研修を用意しています。ここではその一例をご紹介しましょう。

DX推進のための変革リーダーシップ実践セミナー

DX=デジタル・トランスフォーメーションであり、それはまさに「変革」です。まさに現代のリーダーに必要な、変革を進めるためのリーダーシップを学びます。

記事URL:https://solution.jma.or.jp/service/mind02/

女性リーダー養成

女性リーダーが期待されがちな役割を踏まえながら、目指すリーダー像をイメージし、行動プランの作成までを行います。

記事URL:https://solution.jma.or.jp/service/women/

リーダーシップスタイルの発見と部下対応力向上

人間の行動傾向を診断するツール、「DiSC診断」を活用し、自分のリーダーとしての強み、弱みを把握し、目指すべきリーダーシップのスタイルを考えます。

記事URL:https://solution.jma.or.jp/service/skill4_2/

インクルーシブ・リーダーシップ研修

インクルーシブ・リーダーシップとは、個の尊重と組織内の関係性に注目し、多様性のあるチームをサポートしていくスタイル。今の時代に必要とされるリーダーシップについて学び、実践する準備ができます。

記事URL:https://solution.jma.or.jp/service/leadership05/

おわりに

リーダーシップ育成上の大きな課題ですが、置かれた状況によって効果的なリーダーシップが異なるのであれば、現在の状況に合わせて考えていくことも一つの方法です。JMAでは組織診断の結果などをもとに必要な研修をご提案することも可能ですので、ぜひお気軽にご相談ください。

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