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公開日 : 更新日 : 30代・中堅社員の離職を防ぐ「成長実感」の作り方—キャリアの停滞感を払拭するポイントは?
現場で経験を積み、一人前になった中堅社員が突然組織を去ってしまう……このように、最も辞めてほしくない社員が離職してしまう背景には、中堅期特有の「キャリアの閉塞感」があります。本記事では、中堅社員のモチベーション低下を食い止め、組織へのエンゲージメントを再燃させるための教育投資のあり方を解説します。

中堅層は教育、リテンションの空白地帯になりやすい
企業の階層別研修において、新入社員や新任管理職への教育は必須事項として定着しています。しかし、その中間に位置する中堅社員への教育はどうでしょうか。中堅社員は「現場の実務を通じて自然に育つもの」と考えられ、組織的なフォローが手薄な教育の空白地帯になっているケースが少なくありません。
■中堅社員の育成が空白地帯になっている現状とよくある理由についてはこちらのコラムでも触れています。
中堅社員の「行動」を変える研修設計術—3つの壁を突破し、組織を動かす推進力へ >>
リテンションについても、新入社員の早期離職対策に力を入れる企業は多い一方、中堅社員については特別な対策がされていないことも多いのではないでしょうか。
しかし、実は組織にとってより深刻なダメージとなるのが、業務の核心を担う「30代前後の有力な中堅社員」の離職です。経験を積み、これからリーダーとして組織を担うことを期待していた人材が突然去ってしまう事態は、採用コスト面で大きな痛手となります。またそれ以外にも、人材補充の難しさ、スキル伝承の断絶という面でも影響は大きく、現場の士気を下げることにつながります。
なぜ、最も辞めてほしくない中堅社員の心が離れるのか?
中堅社員の離職理由は、単なる給与や労働条件への不満だけではありません。まずは彼らが共通して抱えがちな、3つの心理的な課題を見てみましょう。
キャリアの踊り場の停滞感(プラトー現象)
継続的に努力しているにもかかわらず、伸び悩みを感じる現象のことを、プラトー現象と言います。一通りの業務を覚え、一定の成果を出せるようになったものの、キャリアについては動きの少ない中堅社員が陥りがちな現象と言えます。
「この先10年も同じことの繰り返しではないか」という、いわゆる「先が見える」感覚や、自分の成長が止まったと感じる停滞感は、向上心の高い人材ほど強く、外部に新たな刺激を求める要因となります。
貢献が評価されないことへの疲弊
現場の重責を背負うことも多い中堅層ですが、適切なフォローや評価が得られない状況が続くと、会社から「使い勝手の良いリソース」として消費されている感覚に陥ります。「大切にされていない」という感覚は、エンゲージメントを著しく低下させます。
教育という「承認」の欠如
冒頭に述べた通り、中堅期は「教育の空白」になりやすい時期です。会社が自分をどう育てたいのかというメッセージが届かないことは「この会社に自分の未来はない」と判断し、キャリアの出口を探し始めるきっかけとなってしまいます。
中堅社員のエンゲージメントを高める育成設計のポイント
中堅社員の離職を防ぎ、再び組織の力に変えるためには、単に研修を実施するだけではなく、以下のような「再接続」を意識することがポイントとなります。
【市場との再接続】社内スキルを市場価値へ昇華させる
目的
「この会社にいれば、ビジネスパーソンとして成長し続けられる」という確信を持たせること。
ポイント
社内独自のルールを学ぶだけでなく、普遍的なマネジメントスキルや課題解決力を磨く場を提供することが「市場価値」の高まりへの実感につながります。自社の実務に即しつつ社会に通用する高い専門性を学べるカリキュラムがあれば、逆に「この会社でこの力を試したい」というポジティブな意識が生まれることも期待できます。
【組織との再接続】与えられた役割から自律的なビジョンへ
目的
会社から与えられた「役割」をこなす受動的な姿勢から、自ら組織を良くする主体的な姿勢へ転換させること。
ポイント
中堅社員の役割を再定義し、キャリアデザインの要素を研修に組み込みます。「会社が何を求めているか」だけでなく「自分はこの組織で何を成し遂げたいか」を言語化させることが、個人の幸福と組織の成長の重なりを見出すことにつながります。
■キャリアデザイン研修の意義について紹介したコラムはこちら
自律型人材を育てる「キャリアデザイン研修」の基本ステップ >>
■キャリアデザイン研修のプログラム例はこちら
キャリアデザインワークショップ >>
【社会との再接続】他社交流による自社の良さの再発見
目的
社内という閉鎖的な環境で「隣の芝生は青い」と感じる状態を脱し、客観的な視点で自社を評価させること。
ポイント
あえて社外の視点を持つため、公開セミナー等で他社の社員と議論を交わすことで、「自社の強み」や「解決すべき真の課題」を客観視させ、社内だけでは得られない健全な危機感と愛着を同時に喚起することができます。
■他社交流が新たな視点をもたらすJMI(JMAマネジメントインスティテュート)のプログラム
他流試合型ワークショップ >>
教育投資は、中堅社員への期待の表明でもある
中堅社員研修の必要性を考える際、最も重要なことは「教育はリテンションのための施策でもある」という視点です。
「今の仕事が忙しいから研修に出せない」という現場の判断は、短期的には正しいかもしれませんが、長期的には「成長の機会を奪い、離職を早める」というリスクを孕んでいます。あえて忙しい中堅社員を研修に送り出し、「彼ら自身のため」に練り上げたプログラムを提供することは、それ自体、会社からの「あなたを信頼し、将来を期待している」という強力な承認メッセージとなります。
中堅層のエンゲージメントを高める研修とは
組織の中核を担う人材が「この会社で働き続けたい」と思えるかどうかは、彼らが自身の成長と組織の未来を重ね合わせられるかどうかにかかっています。
育成という枠組みを活用して中堅社員のエンゲージメントを高めるポイントをもう一度整理すると、以下のようになります。
1. 「成長の停滞感」を察知し、キャリアの武器となる学びの場を提供する。
2. 「個人のキャリアビジョン」を尊重し、組織内での活躍イメージを再構築させる。
3. 「社外の刺激」を与え、客観的な視点で自社の価値を再認識させる。
こうした点を踏まえたうえで、新たに中堅層向けの研修を実施することは、彼らのエンゲージメントを高め、組織の核として再活性化することにつながります。JMAでもこれに適したさまざまなプログラムがあり、それぞれの課題に沿ったご支援が可能ですので、ぜひお気軽にご相談ください。



