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公開日 : 更新日 : 「管理職の罰ゲーム化」を防ぐには?「管理職以外」も含めて考える組織的解決法
昇進して管理職になる=喜ばしいことという常識は過去のものになりつつあります。「管理職になりたくない」と答える若手・中堅層は増えていると言われ、既存のマネージャー層のメンタル不調や休職も、多くの人事担当者を悩ませる種となっています。SNSやビジネスメディアで目にする「管理職の罰ゲーム化」という言葉も、単なるバズワードではなく、実際に現場で起きている深刻な課題の表れと言えるでしょう。なぜ、組織を牽引するはずのマネジメント職が「苦行」として受け止められるようになってしまったのでしょうか。本コラムでは、現場が直面している課題の構造を紐解き、新たな視点からの解決策を提案します。

なぜマネジメントが「罰ゲーム」になってしまったのか?
管理職が「罰ゲーム」と呼ばれるのは、主に待遇に対する負担の大きさからだと考えられます。こうなった背景には、現代のビジネス環境ならではの次のような要因があります。
①プレイングマネージャーとしての業務負担増
多くの企業において、課長や現場リーダー層の中間管理職は、プレイヤーとしての実務とチームのマネジメントを兼任する『プレイングマネージャー』の役割を求められています。とりわけ現代のように人材不足が慢性化する中では、プレイヤーとしての高い目標数値を追いかけながら、部下の育成や評価、部門間の調整といったマネジメント業務も遂行しなければなりません。結果として、マネージャーがマネジメントに割ける時間や体力が奪われ、業務のしわ寄せが管理職個人にのしかかることになりがちです。
②多様性とコンプライアンスへの対応
現代の職場には、育児や介護、時短勤務など、さまざまな制約や価値観を持つ多様なメンバーがいます。こうした多様性のなかった時代と比べると、現代のマネジメントは極めて高い対人スキルが要求されるものであり、難易度の高いものとなっています。さらに、ハラスメントへの社会的意識の高まりにより、「どこまで厳しく指導してよいのか」「どう伝えればパワハラにならないか」という過度な警戒から、コミュニケーションには大きな心理的負担が伴うという実態もあります。
③正解のないビジネス環境への対応
過去の成功体験が通用しない、変化の激しいビジネス環境も管理職を苦しめています。かつては「上司が正解を知っていて、それを部下に実行させる」というトップダウン型が成立しましたが、今は上司自身も正解がわからない時代です。不確実性が高い中、失敗のリスクを背負いながら意思決定を下さなければならない孤独と重圧は、マネージャーにとって大きな精神的負担となっています。
業務削減だけでは根本解決にならない理由
こうした事態に対し、「会議の削減」「承認フローの簡素化」「ITツールの導入」など、業務削減に向けた対策に取り組んでいる企業も少なくないでしょう。もちろん、こうした制度や環境面での改善は急務と言えます。
しかし、こうしたハード面(制度・環境)の改善だけでは「罰ゲーム化」の根本解決には至りません。なぜなら、問題は業務量だけにあるのではなく、従来型のマネジメント手法が現代の環境に合わなくなっているというソフト面(スキル・思考)の不一致にもあるからです。
どんなにツールで効率化を図っても、上司が「すべて自分が指示し、管理し、責任を負わなければならない」という旧来のマネジメント観を持ったままでは、部下とのコミュニケーションに感じる負担は変わりません。本質的な解決には、マネジメントのあり方そのものを再定義する必要があるのです。
管理職の疲弊防止に役立つ、スキル面のアップデート
ここでは、管理職の孤立と疲弊を防ぎ、変化に強い組織を作るために、個人のスキルや思考というソフト面、とくに業種を超えて活かせるポータブルスキルに着目した提案をしてみたいと思います。
提案① リーダー自身の「対話型・支援型マネジメント」へのアップデート
1つ目は、管理職自身のマネジメントスタイルの転換です。
現在のビジネス環境では、多くの場合、自分が答えを出して部下に教える、いわゆる「ティーチング」より、部下と共に考えて答えを引き出す「コーチング」が求められます。
これを実現するためには、業務の専門知識以上に、本質的な問題を見極める「課題設定力」や、部下の心理的安全性を担保しながら意見を引き出す「傾聴力」が重要になります。こうしたスキルを身につけることで、部下が自律的に動けるようになり、結果としていわゆるマイクロマネジメントに陥りがちな管理職の手間を削減することができます。
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提案② マネージャーを孤立させない、部下の「フォロワーシップ」の醸成
2つ目は、部下側からの解決方法です。
マネジメントの負担軽減を「管理職個人のスキルアップ」だけに頼ることは、ただでさえ負担の大きい管理職にさらなる負担を強いることになりかねません。ここで鍵となるのが、部下が自律的に上司を支え、組織の成果に貢献する「フォロワーシップ」という概念です。
フォロワーシップとは、マネジメントされる側が「上司の意思決定に対して、部下側から建設的な提案を行う」「チームの課題を自分ごととして捉え、自発的にカバーし合う」といった姿勢や行動特性のこと。若手や中堅社員がこうした思考をすることで、マネジメントは上司と部下の共同作業へと変化し、リーダーへの負担を分散することができます。
■フォロワーシップについてより詳しく知るには
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管理職という「点」ではなく、「面(階層別)」の人材育成に工夫を
「管理職の罰ゲーム化」という現象は、特定の優秀な個人に過度な負担を強いている構造を示すサインだとも言えます。
この課題を乗り越えるためには、新任管理職に対してのみマネジメント研修を実施する「点」の施策では不十分です。管理職には対話型リーダーシップを身に付けてもらう一方で、若手・中堅層の自律思考やフォロワーシップを育成し、組織全体で「面」の対策をしていくことが、真にマネジメントが機能する状態を作ることにつながるでしょう。
各階層が自身の役割を再定義し、互いに支え合う共通言語を持つことは、マネジメントが、「チームで大きな成果を生み出す、やりがいのある仕事」へと回帰していくための大前提です。次世代リーダーを疲弊させないためにも、今一度、階層別研修などを通じ、組織全体の「ポータブルスキル」の底上げを検討してみてはいかがでしょうか。
■今回のような内容を含めた階層別研修のご相談も可能なJMAのサービスについてはこちらから
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