研修効果を高める受講者募集・開催案内のポイント

公開日:2023/10/23 更新日:2023/10/23
応募型の社内研修を行う際、募集・開催案内にはどのようなことに気を配るべきでしょうか?対象者にしっかりと読んでもらえるため、また、研修への参加意識を高め、より効果的な研修につなげるための仕掛けとして、注意したておきたいポイントをご紹介します。

なぜ募集・開催案内が重要か

研修を企画してから受講者を募る「募集型」の研修は一般に、「ロジカルシンキング」「プレゼンテーションスキル」など、特定のスキルを身につける研修が多いのではないでしょうか。多くの社員にこうした研修に参加してもらうには、第一に、「自分にとって必要なスキルである」と認識してもらう必要があります。

また、階層別研修や上司からの指名で参加する研修と異なり、募集型の研修は、さまざまな業務で多忙な中では優先順位が下がってしまうかもしれません。そんな中で積極的に研修に参加してもらうには、「受講することが自分にとってメリットになる」と感じられることも重要です。

受講対象者にこうした印象を与えられるか否かは、募集・開催案内の表現にかかっています。さらに、よい募集・開催案内ができると、参加率の向上だけでなく、研修の効果アップも期待できます。必要性やメリットを理解して研修に臨むことは、受講者のモチベーションを上げることになり、そのことが研修の効果をより高めてくれるからです。

「研修プログラムは案内の段階からすでに始まっている」と言っても過言ではないでしょう。

募集・開催案内で伝えるべき要素と伝え方のポイント

案内を作成する際には、以下のような要素を押さえ、具体的に伝える必要があります。

  • 受講に適している人は誰か(想定対象者)
  • 何を身につけることができる/使えるようになるか
  • プログラムの大まかな内容
  • 研修実施期間(1日で終わるのか、何回かにわたるのかなど)

こうした点を踏まえたうえで、実際に案内を作成する際には以下のような点に留意するとよいでしょう。

1.企画の原点を意識する

研修プログラムの企画は本来、解決したい課題があり、その流れの中で行われるものです(図を参照)。 たとえ例年、同内容の研修を繰り返し開催していたとしても、この原点を見失わずに研修の開催し、案内を進めることが、研修の主催・実施部門の一貫した役割といえます。

逆に、課題が変わってきているのであれば、実施する研修の内容も再考する必要があるはずです。

2.育成体系全体像と「今ここ」を伝える

自社のキャリア開発のステップの中で当該研修がどの位置にあるのか、育成全体像の中での意味を示しましょう。

全体像が示されていれば、受講対象者が「自分が今どのステージにいるのか」「育成計画の中のどこにいるのか」をつかむことができ、自らステップアップを考える機会になります。研修を受けることがステップアップにつながる=メリットとして実感できる可能性も高まります。 

能力評定区分、コンピテンシー評価などと関連させ、対象者像を明確にするのもよいでしょう。とくに「どの区分の人」「どんなコンピテンシーを求められる人」など、社内で使用されている区分に合わせて表示することで、案内を見た人が「自分にとって必要な研修かどうか」を認識しやすくなります。

3.「ねらい」を伝える

2とも関連しますが、会社として「なぜ受講を勧めるのか」「なぜ受講してもらいたいのか」など、「組織にとってなぜ重要なのか」という視点で必要性やメリットを伝えることも有効です。

4.何が得られるかを具体的に伝える

その研修で何を身につけることができるのかという点は、参加者にとって最も気になる情報です。対象者が「知りたい、身につけたい」と思うような内容を伝えましょう。

悪い例:プレゼンテーションスキルを習得するし受注率向上を目指す
良い例:お客様が思わず納得してしまうシナリオの作り方を学ぶ

5.「想い」を伝える

主催者側の考える研修内容の魅力など、「社員の皆さんによい機会を提供したい」という主催者側の「想い」を伝えることにも大きな意味があります。参加者から見れば、「必要だから参加する」というだけでなく、わくわくするような期待を感じてもらうこともできるからです。

事前の期待があれば、より積極的、ポジティブな姿勢で研修に参加してもらうことができます。また、主催者側の想いに対して、実際にどうだったかという受講後のフィードバックもしてもらいやすくなります。

その他効果を高めるポイント

募集期間についてはケースバイケースですが、一般には開催の1カ月~3カ月前くらいであることが多いようです。

また、こうした募集型の研修についても、受講者本人だけでなく、上司の関わり方が大きなカギを握ります。どのようなプログラムを提供しているかを上司にも同報し、受講後には学んだ内容を実践する機会を作ってもらうよう働きかけるなど、研修主催部門からも積極的にコミュニケーションを図るようにしましょう。

まとめ

募集・開催案内について再考することは、研修を主催する部門が社員と組織に何を提供したいのかを再考することにもつながります。例年実施している研修とその案内についても、改めて吟味してみてはいかがでしょうか。

またJMAでは、今回ご紹介したような発信方法についても最適な方法をともに考えてまいります。研修内容とともに、気軽にご相談ください。

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