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公開日 : 更新日 : 休暇明けに見直したい!チームビルディングに必要なスキル
長期休暇のあとは、業務モードに戻りづらく、メンバー間の一体感もゆるみがちです。そんな時期こそ、チームビルディングに取り組むことで、意欲や連携をスムーズに再起動することができます。本コラムでは、休暇明けにチームビルディングが有効な理由や、その効果を高める「GRPIモデル」の活用方法、さらに、実践に必要なスキルについて紹介します。
チームビルディングが効果的なタイミング
チームビルディングとは、メンバー同士の信頼関係や協力体制を築き、チーム全体の成果や働きやすさを高めるための取り組みのことを言います。
単なるイベントではなく、目標の共有や役割の明確化、対話を通じて関係性を深めることで、組織内でのパフォーマンスやモチベーションを底上げすることを目的としています。
たとえば、次のようなタイミングで行うととくに効果を発揮するでしょう。
- 新年度や新チームの立ち上げ時
- 組織改編・人事異動などでメンバー構成が変わったとき
- 新メンバーが加わったとき
- プロジェクトの節目(中間目標の達成や方針変更時)
- 長期休暇の直前または直後
なぜ休み明けにチームビルディングが効果的なのか?
長期休暇明けのチームビルディングが効果的と言える理由には、次のようなことが挙げられます。
1.気持ちを業務モードに切り替えるタイミングだから
長期休暇後は頭も体も“休みモード”にあり、業務への集中力やリズムを取り戻すのに時間がかかりがちです。また、日常的なコミュニケーションが少ない時期を経ることで、チーム内の関係性もやや希薄になりやすいと言えます。こうした緩みをリセットし、業務へのエンゲージメントを高めるために、チームビルディングは有効な手段となります。
2.「休暇の効果」をチーム単位で持続できるから
休暇そのものは、ストレス軽減やモチベーションの回復には効果的ですが、時間の経過とともにその効果は薄れていきます。そこで、リフレッシュした状態を組織の生産性向上につなげるには、チーム単位での再始動が欠かせません。チームビルディングを通じて、関係性や目標意識を再確認することで、ポジティブな立ち上がりが期待できます。
チームワークがもたらす4つの成果
チームビルディングを行うことによってチームワークが向上すると、次のようなメリットがあると言われています。
1.効果(Effectiveness)
目標達成力が高まり、高品質なアウトプットが得られたり、問題解決力が向上したりします。
2.効率(Efficiency)
個人では難しい業務を、役割分担と連携によってスムーズに進められるようになります。
3.満足(Satisfaction)
メンバー間の信頼や一体感が高まり、「このチームで働けてよかった」という感覚が育ちます。仕事に対するエンゲージメントも向上します。
4.学習(Learning)
互いに知識や経験を共有しながら、チームとしても個人としても成長できます。
チームワークのメリットとしてイメージしやすい「効果」や「効率」だけでなく、「満足」と「学習」もメリットとされているのがポイントです。エンゲージメントの向上や学習効果も、良好な関係性があってこそ得られる成果なのです。
GRPIモデルで考えるチームビルディング
チームビルディングに有効なフレームワークの代表的なものが、アメリカの組織開発の専門家であるベックハード氏が提唱したGRPIモデルです。
これは、チームの機能を「Goal(目標)」「Role(役割)」「Process(手順)」「Interaction(関係性)」の4要素に分けてとらえるモデルです。
Goal(目標)
チームとして達成すべき目標を、具体的かつ共有された形で設定します。ゴールが曖昧なものでなくなることで、迷いや不一致が生まれにくくなります。
Role(役割)
各メンバーが担うべき役割やタスクを明確にし、責任の所在や期待される成果を共有します。
Process(プロセス)
業務の進め方や意思決定のルール、コミュニケーションの方法などをチームで合意形成し、効率的に進める基盤を整えます。全員がプロセスに納得することで、作業効率が高まります。
Interaction(関係性)
メンバー間の信頼や心理的安全性を高めることで、率直な対話や協力が生まれます。失敗を恐れず挑戦する文化が育ちます。
4つのうち、特に関係性(Interaction)は見落とされがちですが、他の要素すべてを支える土台になります。
GRPIモデルの活用のために必要なスキル
こうしたモデルを成立させるために、役に立つスキルを考えてみましょう。
目標設定力
「いつまでに・何を・どのように達成するか」をチームで共有し、納得感のある目標を設定する力。
タスク設計力と役割分担力
目標達成に必要なタスクを洗い出し、メンバーの強みや専門性を活かした適切な役割分担を行う力。
コミュニケーションスキル
意見のすり合わせや連携、信頼関係の構築に欠かせない対話スキル。とくに「質問力」「傾聴力」「フィードバック力」が鍵となります。
心理的安全性を高める力
リーダーやファシリテーターが、メンバーが安心して意見を出せる場をつくり、挑戦や失敗が歓迎される空気を育むスキルです。
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チームビルディングの実践方法
チームビルディングに取り組むには、チーム全員が参加してワークショップ形式のチームビルディング研修を行うのも一つの方法です。
一方で、仕事の場を離れ、キャンプ、料理、対話型ゲームなど社外アクティビティの場で行うことも可能です。非日常の場でともにする体験は、信頼関係の再構築に大きな効果を発揮してくれるでしょう。
さらに、先ほど紹介した、GRPIモデルの活用に役立つスキルをチームリーダーが身に付けておくことも効果的です。こうしたスキルは、それぞれのスキルに応じた研修で身に付けることもできます。
おわりに
休暇明けは、チームビルディングの絶好のタイミングです。GRPIモデルを活用して、「目標」「役割」「手順」「関係性」の4要素を見直しながら、チームを再構築してみましょう。メンバー同士のつながりを再確認し、心理的にも業務的にもスムーズな立ち上がりを図ることで、組織全体の生産性やモチベーションを高めることができるはずです。
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