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公開日 : 更新日 : 次世代リーダーの殻を破る「他流試合」型研修のインパクト

次世代経営者候補を選抜する際、「イノベーションを起こす気概が感じられない」「優秀だが、小粒にまとまってしまっている」といった悩みを抱える企業は少なくないようです。こうした傾向は、長年培われた「社内の同質性」にどっぷりと浸かっていることにあるかもしれません。本コラムでは、自社の常識という「殻」を破り、次世代リーダーを覚醒させる起爆剤として、いわゆる「他流試合」的学びがどのようなインパクトを持つかを解説します。

次世代リーダーの殻を破る「他流試合」型研修のインパクト

次世代リーダー育成のよくある課題――自社の常識が「限界」を決めていませんか?

実務能力が極めて高い有望なリーダー候補が、経営層へステップアップする過程で、経営視点の獲得やイノベーションの壁にぶつかってしまうのにはいくつかの要因がありますが、その一つとして、「社内の同質性」に過剰に適応してしまっていることがあるかもしれません。

新卒採用や長年の生え抜き文化を中心とする組織においては、社員は同じ企業文化、同じ評価基準の中で長い時間を過ごします。社内という同質的で安全な環境に長く留まっていると、無意識のうちに「自社の常識」という強固なフィルターを通してビジネスを見るようになります。

こうした状態の一つが、「うちの会社ではこれ以上は無理だ」「これまでやってこなかったから、やる必要がない」という限界を無意識のうちに自ら作ってしまうということです。こうした「見えない殻」にすっぽりと覆われた状態では、どんなに高度な戦略フレームワークを学ばせたとしても、真の変革を生み出すことはできません。

次世代リーダークラスが「他流試合」を経験するメリット

こうした人材を覚醒させ、新たな挑戦に向かうイノベーティブな気概を育てるには、社内の常識が一切通用しない環境に身を置き、強烈な刺激を受ける経験が大きな意味を持ちます。いわゆる「越境学習」もこれに当たります。

■越境学習について詳しく紹介したコラムはこちら
越境学習でイノベーション人材を育成する >>

こうした学び方の一つが、他社の人材とともに学ぶ「他流試合」型の研修です。こうした学び方が具体的にどのようなインパクトをもたらすのか、4つの観点から詳しく解説します。

1. 健全な危機感が芽生える

社内で高く評価され、実績を積み重ねてきた人材ほど、自らの実力や自社の優位性に一定の自信を持っているものです。しかし、一歩社外に出ることで、その自信は良い意味で打ち砕かれることになります。他流試合の場では、全く異なる業界で同じような役職・ポジションを担う、極めて優秀な人材と直接対峙し、議論を交わすことになります。

外の広い世界を知ることで、「自分たちが全くできていない新しい取り組みを、他社は当たり前のように実行している」という事実に気づくことができます。この生々しい現実に直面し、焦りとともに持ち帰る「危機感」こそが、自ら貪欲に学び、現状の限界を突破しようとする強力な原動力となるのです。

2. 市場感知力(市場を見る目)が養われる

将来の経営幹部には、自業界の狭い枠を超え、社会環境やマーケット全体の変化を鋭く感知する力が求められます。しかし、社内に留まっていると、どうしても既存の顧客や見慣れた競合の動向ばかりを追いかけ、市場を捉える視点が固定化してしまいます。

他流試合が市場感知力を養う最大の理由は、全く異なる業界のリーダーたちが最前線で感じている「生きた一次情報」に直接触れられる点にあります。異業種の参加者と深く対話することで、自業界の当たり前が他業界では非常識であることに気づかされます。さらに、それぞれの業界で起きている変化を知ることで、点と点が繋がり、社会全体のマクロなトレンドを立体的に俯瞰することができるでしょう。多様なビジネスのレンズを通して市場を見つめ直す経験が、新たな事業機会を捉える鋭い「目」を養うのです。

3. 深い自己変革の機会になる

社内の常識や社内用語が全く通じない異業種の優秀なリーダーたちを前にすると、これまで頼りにしてきた自分の得意な進め方が通用せず、強烈な挫折感やもどかしさを味わうことになります。こうして自分の限界に直面する経験は、凝り固まった過去の成功体験を捨てる「アンラーニング(学習棄却)」を促してくれます。

さらに、社外の参加者からは、社内の人間関係で生まれがちな忖度のない、客観的なフィードバックが得られます。他者が映し出す「客観的な鏡」によって自らの真の強みや弱み、リーダーとしてのあり方を根本から見つめ直し、「価値観の破壊と再構築」を繰り返すことが、小手先のスキルにとどまらない芯からの自己変革を可能にするのです。

4. 将来にわたるネットワークが構築できる

異業種の人材とともに学ぶことによって生まれたネットワークは強固なものになりやすい傾向にあります。最大の理由は、参加者同士が利害関係を持たず、会社の看板を外した「個」としてフラットに向き合える環境にあります。

長期にわたり、自社内では見せられない弱みや失敗談をもさらけ出し、互いにフィードバックを与え合いながら壁を乗り越えるプロセスは、単なるビジネス人脈を超えた「戦友」のような深い絆を生み出します。

こうした経験は、修了したあとにも、社内では相談しづらい悩みを打ち明け合ったり、新たな事業コラボレーションを生み出したりする力となります。実際に経営者となったあと、「こうした経験が財産となっている」と語る人も多いものです。

効果的な「他流試合」の条件とは

次世代リーダーの殻を破る手段として有効な他流試合ですが、ただ外部のセミナーに参加させたり、異業種交流会へ送り出したりするだけでは、真の効果は得られません。せっかくの場にも、「お客様」感覚で参加するだけでは、すぐに日常の業務に戻ってそれまでの常識に埋没してしまうでしょう。
真に効果的な他流試合の場を用意するために必要な条件としては、下記のようなことが考えられます。

1. 参加者が「お客様」で終わらない「真剣勝負の場」であること
本気の主体性や本質的な思考力、問いを立てる力は、真剣勝負の場でこそ鍛えられます。学びの場でも、単なる意見交換やケーススタディの討議で終わらせず、チームとしての最終的な提案やアウトプットに対して順位づけや評価が行われることにより、他社の優秀な人材と知恵を競い合う健全な競争環境を生み出すことができます。

2. 異業種が入り混じる「高い多様性」が担保されていること
同業に近い業種同士の交流では、結局は「業界の常識」の枠内で議論がまとまりがちです。自社の当たり前を疑い、視野を大きく広げる創発を生み出すには、参加企業の顔ぶれが多様であり、全く異なるビジネスモデルや組織文化を持つ人材が一つのチームに混ざり合う環境が必要です。

3. 深い対話を可能にする「長期間・非日常」のプロセスであること
数時間程度の単発プログラムでは、表面的な課題解決で終わってしまいがちです。参加者が互いの本音やリーダーとしての葛藤をさらけ出すには、ある程度長期間のプログラムである必要があります。時間をかけた深い対話のプロセスが、小手先のスキル習得ではない「価値観のアンラーニング」や「強固なネットワーク構築」を可能にするのです。

「他流試合」の実践例としての「JMI(JMAマネジメント・インスティチュート)」

次世代リーダー候補の限界を突破させたいとお考えであれば、自社内だけでは決して生み出せない「真剣勝負の他流試合」という刺激を、育成計画に組み込んでみてはいかがでしょうか。

ここでいう他流試合的学びの方法はいくつかありますが、日本能率協会(JMA)が提供する「JMI(JMAマネジメント・インスティチュート)」のプログラムも、こうしたポイントを意識して設計されています。ぜひ一度、プログラムの内容をチェックしてみていただければ幸いです。

■他流試合のメリットを最大化するべく設計されたJMAマネジメント・インスティチュートのプログラム例はこちらから
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