目標管理制度(2)|当面する企業経営課題に関する調査:日本企業の経営課題2016
公開日:2016/12/26 更新日:2023/09/13
レーティングレスを選択した企業は「年度目標設定・期末評価」から「リアルタイムな目標設定・リアルタイムなフィードバック(上司だけではなくメンバー相互に)」という方法に舵を切っている。目標管理制度が評価制度であるとともに「マネジメントそのもの」であるということを思い出せば、以下のようなことが目標管理制度を活かすことになると思える。
①多頻度フィードバック
- 環境が激しく変わる中でその変化に合わせた仕事の進め方がされているが、マネジャーからのフィードバックは多頻度に行われているのか
- メンバー相互が連携して業務を行っているが、知見を含めた相互のフィードバックは多頻度に行われているか
②目標設定の際の与件の確認
- 目標を設定した時の環境の認識と、現在の認識の差が共有されているのか。具体的には目標設定時に「上司が支援する事柄」「必要なリソース」などの前提条件を決めたがそれは今も有効だろうか。
③目標管理制度の個への対応
- 目標そのものは目標の連鎖によって設定されるが、その目標が個人のキャリアや価値観との関係において意味づけられているか。上司はそうした対話をしているか。
④重点目標とその他業務の違いの認識
- 目標管理制度の目標は業績指標型を採用されている企業以外は、重点目標を部下との話し合いの中で定めているはずである(例えば重点目標を3つ設定するなど。業績指標型は話し合いというよりも売り上げや利益などが決められているパターン。)
基本的にはこの重点目標(=目標)が評価の対象であるが、目標以外の項目をどう評価しているのかが重要となる。
―目標以外の業務(目標に掲げるまでもないもの)の評価をどうしているのかである。組織に知見を提供することで、大きなビジネスインパクトを与えた社員を評価することは行われているだろうか。逆にルーチン業務の業務量の多さで評価を高くしたりしていないだろうか。
目標管理制度があるないに関わらず、マネジャーがどうマネジメントを機能させていくかの視点から見ると多くの課題が残っているように思える。
レーティングレスの話題を皮切りに、目標管理制度の課題について再考してみた。目標の意味合い、アサインの仕方、フィードバックのありかた、相互のフィードバックなど、実行品質を今一度考える必要があるといえるのではないだろうか。
日本能率協会は目標管理制度の実効性を「見える化」して、こうした課題に応える個別支援を行っている。
以下は個別支援の実績の一部である。
- 目標管理制度の運用力調査
- 目標設定とフィードバックスキル研修
- メンバーのためのフィードバックの受け方研修
- 目標設定、評価研修(評価者研修)
- 職種に応じたフィードバックマネジメントの実効性支援