今どき研修テーマ&メソッド図鑑
事業・組織の変革を託したい部長の総合力を高める研修5選
いわゆる階層別の研修の一つとして、部長昇格時の新任研修は広く一般的に行われていますが、その内容はどのようなものになっているでしょうか?部長は、それまでとは大きく役割の変わる役職だけに、研修の持つ意味も大きくなります。ここでは、部長研修のもつ意味を改めて考え、必要な力をつけるための具体的な研修メニュー例をご紹介します。
部長に求められる役割
同じ管理職でも、課長と部長には大きな役割の違いがあります。課長の主な役割が課の「管理」であり、メンバーの能力を活かし、課題を解決していくことであるとすれば、部長の役割は部門の「経営」だといえます。全社的な経営意図を理解した上で、部門単位での戦略を立て、成果を上げることが求められます。そのために組織のデザインから考える必要が出てくるなど、マネジメントの範囲も大きく広がります。
さらに、ビジネスから組織のあり方まで、さまざまな変革が求められる中で、その主な担い手となるのも部長クラスの人たちです。変革を実現するには、すでにある課題の解決だけでなく、目に見えない課題を自ら見つけ出し、あるべき姿を構想する力も必要となるでしょう。
部長昇格時以外の研修も重要
このように、部長に昇格するタイミングで役割が大きく変わるため、昇格時の新任研修は大きな意味を持ちます。学ぶ本人が求められる役割を理解し、経営感覚を磨くことのできるような研修が望ましいでしょう。
しかし、重要なのは昇格時の研修だけではありません。部長は変革の推進役であるだけに、会社全体として新しい考え方や施策を導入する場合、まずは部長の意識改革が必要です。部長がその意義を理解していない状態では、新しい考え方や施策の浸透は望めないからです。こうした意味で部長向けの研修は、昇格時に実施して終わりではなく、必要に応じて継続的に実施していくのが望ましいといえます。
全社的な課題をテーマとして実施する部長研修は、同階層の人同士が交流する機会になるという点でも大きな意義を持ちます。部長レベルにもなると、会社として何らかの方針が示されたとき、考え方を理解するのは早いかもしれませんが、他の人と課題をシェアする機会がないことが多いもの。そんなとき、研修で部長同士が交流することで、「他の人はどうしているのか」を知ることができます。一方通行のインプットではなく、学び合いの場として研修が機能している例も多くあります。
部長の学びに役立つ研修メニュー
ここまでにご紹介してきたような点を踏まえ、JMAが提供している研修の例をご紹介します。
部長のためのマネジメント能力開発
「部長としての役割」と「部門経営の基本」を学ぶ研修です。
部門経営に必要な5つの視点を(事業をどうするか、業績をどうするか、部・課・グループをどうするか、課長をどうするか、会社をどうするか)踏まえ、意思決定に必要なスキルとマインド、成果を出すためのマネジメントを身につけていきます。
「課長の延長」という考え方を払拭し、部門の責任者としての考えや信念を形成、ブラッシュアップし、伝えていける人になることを目指します。
https://solution.jma.or.jp/service/training/position/position2_1/
事業戦略実践力養成コース
事業戦略と、業務プロセスやコスト構造といった現場レベルの学びを提供します。
ポイントは、事業戦略を知識として学ぶだけでなく、その戦略を担保するビジネスモデルに焦点を当てること。競争優位性を発揮するための発想や着眼点を鍛えることを目指します。
https://solution.jma.or.jp/service/training/position/position2_2/
部長のための変革マネジメント力強化
変革の担い手となる部長には、鋭い経営感覚が求められます。
本研修では、このような経営感覚を高めるためのビジョン策定の考え方から、部門目標達成のための戦略ストーリー立案までをトータルに提供。
トップが掲げる経営方針や変革ビジョンを受け、内外の環境変化を見据えた資源分析、事業構造の見直し、組織・人材・資源投資などの戦略が立てられるようになることを目指します。
https://solution.jma.or.jp/service/training/position/position2_3/
部長のための人材育成力・組織連携力強化コース
部長となった人の多くは、課長として活躍し、プレイヤーとして優れた実績を持つ人であるはずですが、部長の立場からメンバーの力を十分に発揮させるには、「個」から「集団」へと思考を切り替える必要があります。
具体的には、組織としての業績を向上させる力のある課長を育て、組織間の連携を図ることが重要。そのために必要な学びを提供し、自身の影響力を自覚しながら活躍できる部長を育てます。
https://solution.jma.or.jp/service/training/position/position2_4/
部長のための未来洞察と組織・事業変革推進セミナー
一定期間部長を務めてきた人に向けた研修です。
部長経験が長くなれば、部門運営の経験値に基づいて求められる資質や能力の向上が求められますが、そうした要求に応えるため、現在の部門運営における「課題を発見・整理する力」や「課題解決の仕組みの構築・提案する力」を養い、マネジメント能力の向上を図ります。
VUCA時代に欠かせない「先を見据えた未来洞察力」や「変化への備え」「知的機動力」「リーダーシップ」をもとに、強い組織づくり、価値創造し続ける強い事業づくりへの視点やセンス、変革への実行力を養います。
https://solution.jma.or.jp/service/training/position/position2_5/
部長に求められる役割は各企業が置かれた状況によっても異なりますが、だからこそ、状況に応じた意識改革やスキルアップが重要です。この機会に、昇格時の研修はもちろん、それ以降の部長研修についても検討してみてはいかがでしょうか。