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「育てる人を育てる」研修 ティーチング・コーチング・メンタリングを学ぶ

公開日:2022/11/24 更新日:2023/09/13

「ティーチング」「コーチング」「メンタリング」とは、いずれも人材育成の場面で耳にする言葉ですが、それぞれどういう意味であり、どのように使い分けをするのかといった疑問を感じている人もいるかもしれません。ここでは、それぞれの語の意味や、役立つ場面などを解説します。
コーチング

ティーチングの効果とポイント

ティーチングとは、新しい学びを得ようとしている人に対して必要な知識、技能、技術を「教える」ことです。一対多の場合も個別に行う場合も含みます。新入社員や経験スキルの少ない若手に教える場合や、緊急性が高い課題に対処する場合などでとくに有効です。

ティーチングで効果を高めるポイントは、学ぶ目的を明確にすること、抽象的な内容を可能な限り言語化すること、具体例を交えて手本を示すことです。こうすることで学ぶ側がイメージしやすくなります。さらに教えた内容を振り返るための確認テストを行ったり、学習者に学んだ内容を説明させたりすることで、理解度が高まりやすくなるでしょう。

コーチングの効果とポイント

コーチングとは、対話を通じて相手が自ら答えを導き出せるようにサポートする手法です。能動的に答えを引き出していく方法であるため、学ぶ側がある程度の経験や知識を持った人である場合に有効です。緊急性は高くないが重要な内容を、じっくりと時間をかけて考える場面に向いています。

効果を高めるポイントは、正解を教えるのではなく相手の話を最後までじっくり聞くことです。また、相手が答えに行き詰まってしまった時に、気づきを促すための疑問や質問を投げかけることが重要といえます。

メンタリングの効果とポイント

メンタリングは、直接的に教えるというよりも、メンタル面でサポートする意味合いの強い手法です。指導者である「メンター」と受け手の「メンティー」がマンツーマンで行うことが基本で、対話や助言によって指導します。企業の新入社員教育の一環として行われることが多く、メンタル面をケアしながら進めることで学習効果アップにつながります。

一方的な指導にならないためには、メンターはメンティーの立場になって考え、信頼関係を作ることがポイントです。メンティー自身が問題解決できるように、答えをすべて与えず、気づきを与えるように導くことが重要です。

ティーチング・コーチング・メンタリングをどう使い分けるのか

ティーチングとコーチングは学習者の到達レベル・学習レベルによって使い分けるのが一般的です。たとえば新入社員など経験や知識が少ない対象者に対してはティーチング、その後、ある程度の経験や知識がついたらコーチングに切り替えるなどです。

メンタリングは主に新入社員などその道の経験が浅い人が対象となり、助言や指導だけでなく「精神的に問題がないか」といったメンタル面の支援が必要な際に用いられます。 

どういう人が身につけるべきか?必要なスキルは?

ティーチング・コーチングは、管理職・リーダーやOJT担当者、メンターなど部下や後輩に対して効果的な手法であり、指導力を発揮したい人が身につけるとよいでしょう。メンタリングは、メンター役を任された人のほか、OJT担当者も身につけておいた方がいい指導法です。

それぞれに必要なスキルとしては以下のようなものが挙げられます。 

ティーチングに必要なスキル

人には、「信頼できる人から学ぶほうが吸収しやすい」という傾向があるため、相手との信頼関係を短時間で築くスキルが求められます。相手をモチベートする力も必要ですが、モチベーションが上がる伝え方は相手によって違うので、柔軟に伝え方を変える幅の広さも備えていると理想的です。 

コーチングに必要なスキル

コーチングには傾聴、承認、質問の3つのスキルが欠かせません。「傾聴」はしっかりと話を聞くスキルで、相手を受け入れる「受容」と「共感」が必要です。「承認」は相手の変化や成長に気づき「素早く」「どのように成長したのかを具体的に」褒めることが大切です。「質問」とは、相手に考える力や成長の機会を与えるものです。相手が気づきを得られるよう適切に質問することが大事です。

メンタリングに必要なスキル

コーチングスキル、ティーチングスキルと同様に、傾聴、モチベーションを上げる力、自発的な行動を促す力や、「積極的に人を育てよう」という意欲が求められます。メンティーにとって親しみやすく、話しやすい存在であることも重要なため、年齢が近く、直接の利害が絡まない他部署の先輩でこのようなスキルや特性を持つ人が適任です。

まとめ

ティーチング・コーチング・メンタリングは、それぞれに目的があり、効果を発揮するケースも異なります。有効な場面、対象者によって使い分けをしながら適切な手法で部下の指導に役立てていきましょう。

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