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公開日 : 更新日 : グローバル人材としての基礎力を磨く研修テーマ

ビジネスのグローバル化はますます進み、海外拠点への進出や外国人従業員の雇用など、さまざまな形で異文化を意識する場面が増えてきました。こうした環境で求められているのは「語学力」だけではありません。本記事では、グローバル人材に求められる基礎力とは何か、そしてその力を伸ばすための具体的な研修テーマをご紹介します。

今こそ求められる「グローバル人材」の育成

近年、日本企業の海外展開が進むほか、国内であっても多様な価値観や背景をもつ人々と関わる機会が増えています。たとえば、外国籍社員の採用や、海外グループ会社との協業、多国籍の顧客や取引先とのコミュニケーション、さらには訪日外国人向けのサービス開発など、異文化との接点は日常の一部になりつつあるといってよいでしょう。そんな中で急務となっているのが、グローバルに活躍できる人材の育成です。

では、「グローバル人材」とはどのような人材を指すのでしょうか。これを考えるうえでヒントになるのが、2011年に国が発表した「グローバル人材育成推進会議」中間まとめによる定義です。このまとめでは、次の3の要素を備えた人材を「グローバル人材」と定義しています。

要素Ⅰ: 語学力・コミュニケーション能力

要素Ⅱ: 主体性・積極性、チャレンジ精神、協調性・柔軟性、責任感・使命感

要素Ⅲ: 異文化に対する理解と日本人としてのアイデンティティー

この定義からもわかるのは、グローバル人材とは「外国語ができればよい」といった単純なものではないということです。むしろ、語学力はスタート地点にすぎず、異なる文化や価値観をもつ相手と協働し、新たな関係性を築くための姿勢や考え方こそが問われていると考えられます。

ビジネススキルに落とし込むと、たとえば次のような力が挙げられます。こうした力を身に付けることが、グローバル人材としての基礎力につながると言えるでしょう。

異文化理解力

  • 異なる文化的背景や価値観を尊重し、先入観なく向き合う力
  • 宗教・習慣・生活スタイルの違いを学び、対応に反映できる態度

柔軟なコミュニケーション力

  • 外国語を使って必要なことを伝える力
  • 考え方の違いを前提に、丁寧に伝える力
  • 日本的な常識に頼らずに伝える力
  • 役割分担や意思決定スタイルの違いに適応する力

課題発見力・主体性

  • 状況を観察し、必要な行動を自ら起こす姿勢

レジリエンス

  • 想定外のトラブルにも折れることなく再挑戦できる力
  • 「これまで通り」が通じない場面でも、前向きに行動できる力

今いるメンバーをグローバル人材に変える研修テーマ

グローバル人材の不足を感じているのであれば、こうしたテーマを研修に取り入れていくこともお勧めです。ここでは、グローバル人材育成に役立つJMAの研修プログラムの例をご紹介します。

異文化理解の精神

直接的に相手の文化を理解することも重要ですが、その前提として、多様性を受け入れるマインドを身に付けておくことが助けになります。無意識の偏見、「アンコンシャス・バイアス」を意識する研修を実施するのもよいでしょう。

実用的な英語力

単に英語を学ぶのではなく、「伝えたいことを的確に表現する力」や、英語圏でのプレゼンテーションにおけるルールや慣習も合わせて学ぶことで、より実践的なコミュニケーション力を身に付けることができます。

コミュニケーション力

文化的バックグラウンドが異なる相手に必要なのは明確で具体的なコミュニケ―ション。その基本となるのは、「空気」に頼らず、どんな相手とも共有できるロジカルな考え方です。

相手の話を前向きに聴き、相手の考えを引き出すスキルも、グローバルな会話に求められる率直で建設的なコミュニケーションにつながります。

本人の主体性・積極性を高める

主体性は、自らの内面を理解し、いわゆる内発的動機に気づくことで生まれると言われます。さまざまなツールを使って自己理解を深める研修が効果的です。

メンバーの主体性・積極性を引き出す

メンバーの主体性を引き出すには、管理者である上司のスキルも重要です。コーチングやフィードバック術に関する研修は、新人や若手を育成する人への支援になります。

レジリエンス

困難に負けないためのスキルを身に付けておくことで、想定外の事態が起こりやすいグローバルでの活動に前向きに臨むことができます。

おわりに

グローバル人材としてのスキルは、今や特別な人にだけ求められるものではありません。今いるメンバーが、少しずつ視野を広げ、多様性に対応できる力を育んでいくことが、組織全体の力を底上げする第一歩です。今回ご紹介した研修テーマを活用し、日々の業務のなかで世界に通用する人材を育てていただければ幸いです。