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公開日 : 更新日 : DX・生成AI時代に必須のスキル「プログラミング的思考」の定義・効果・習得方法

近年、学校教育でプログラミング科目が必修化されたこともあり、「プログラミング的思考」という考え方が注目されています。ただし重要なのは、プログラミング的思考は、プログラミングそのものを習得することとは全く異なるということです。この記事では、「プログラミング的思考とは何か?」という基本から、その重要性、ビジネスでの活用法、そして具体的な鍛え方までを詳しく見ていきます。

プログラミング的思考とは何か?定義と基本の考え方

プログラミング的思考とは、目的を達成するために必要な行動を細かく分解し、順序立てて実行するという思考法です。単にゴールを達成するだけでなく、「効率化」「仕組み化」「自動化」といった視点を加えることが特徴です。

たとえば、地図アプリが「現在地から目的地までの最短ルート」を導き出す仕組みには、まさにこの思考が活かされています。論理的思考の一種でありながら、実践的かつ最適解の導出に特化している点が大きな特長です。

他の思考法との違いからプログラミング的思考を理解する

プログラミング的思考とはどのようなものかを捉えるには、他の思考法と比較してみると分かりやすいかもしれません。とくに混同されやすい3つの思考法と比較してみましょう。

1. ロジカルシンキング(論理的思考)との違い

ポイント:「思考」か「手順」か

ロジカルシンキングは、物事を矛盾なく整理し、結論を導き出す「思考の筋道」そのものを指します。
対してプログラミング的思考は、その結論を「誰が(あるいはコンピュータが)実行しても同じ結果が出る状態」まで具体化する、より実践的な手順設計に重きを置いています。
論理を仕組み化し、手順に落とし込むのがプログラミング的思考だと言えます。

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2. 「デザインシンキング(デザイン思考)」との違い

ポイント:「What」か「How」か

デザインシンキングは、ユーザーの深い共感から潜在的な課題を見つけ出し、試作(プロトタイプ)を通じて解決策を探る「人間中心」の考え方です。
一方、プログラミング的思考は、与えられた目的を最短・最適に達成するための「構造」を突き詰めるアプローチです。感情や主観を排し、要素を「抽象化」してパターンを見出すことで、効率性を最大化します。
ゼロから「何を(What)」作るかを問うのがデザインシンキングなら、決まった目的を「いかに(How)」正確に実現するかを考えるのがプログラミング的思考です。

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3. 「システムシンキング(システム思考)」との違い

ポイント:「俯瞰」か「分解」か

システムシンキングは、物事を単発の事象ではなく、複数の要素が影響し合うシステムとして捉え、全体像を把握する考え方です。短期的な解決策が長期的にどんな副作用を生むかといった、複雑な相互作用を重視します。
これに対し、プログラミング的思考は、システムシンキングで見えた大きな仕組みを、実際に動かすための「命令の羅列」へと落とし込む考え方です。
システムシンキングが「森」を俯瞰するものだとすれば、プログラミング的思考は、その森を維持するための「自動水やり機」を考えるようなもの。全体最適の視点を持ちつつも、それを具体的な処理プロセスへと徹底的に分解する点が特徴です。

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なぜ今、プログラミング的思考が求められているのか?

現在、ビジネスにおけるプログラミング的思考の必要性が叫ばれている理由としては、次のようなことが挙げられます。

情報過多と業務複雑化に対応するため

現代のビジネス環境では、膨大な情報が飛び交い、業務も多様化・複雑化しています。そうした中で、情報を論理的に整理し、段階的に処理するための思考のフレームワークとしてプログラミング的思考が役立ちます。

DX(デジタルトランスフォーメーション)推進の土台として

DXを進めるには、単にツールを導入するだけではなく、業務自体を分解・最適化し、再設計する力が求められます。プログラミング的思考ができれば、非効率な業務をそのままデジタル化するといった失敗を防ぐことができます。
また、IT人材以外もプログラミング的思考のスキルを備えていれば、エンジニアやベンダーとの会話がスムーズになり、より効率的なDX推進が可能になります。

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AIとの共生に不可欠なスキルとして

AIに対して期待通りのアウトプットを出させるには、指示を「分解」し、手順を「構造化」して伝える必要があります。プログラミング的思考はこうしたプロセスそのものです。生成AIにより自らプログラムを書く必要性は低下しましたが、だからこそ人間には、全体設計やエラーの原因を特定できる思考力が求められています。

国際化と構造的コミュニケーションの必要性から

グローバル社会では、「察する文化」ではなく、誰にでも伝わる構造的・論理的なコミュニケーションが求められます。プログラミング的思考はそうしたコミュニケーションのための有効な手段になり得ます。

プログラミング教育世代との共通基盤として

今後、プログラミング教育を受けた世代が社会に増えていく中で、共通言語としてのプログラミング的思考は、世代間の円滑なコミュニケーションや協働に役立つと考えられます。

プログラミング的思考に必要な5つのスキル

プログラミング的考えるにはどのような力が必要とされるのか知っておきましょう。これらの力は日常生活、日々のタスクなどを「設計→実行→評価→改善」に落とし込むことで、誰でも鍛えることができます。

分解力(課題の細分化)

複雑なタスクを小さなステップに分けて理解する力。たとえば「カレーを作る」という行為を、「具材を選ぶ」「切る」「炒める」「煮込む」などの工程に分けて考えるような考え方です。

組み合わせ思考力(工程の最適化)

分解した要素を、適切な順序や組み合わせで再構築する力。順番が違うだけで成果が大きく変わることもあります。カレーの例で言えば、分解した工程を正しい順序で進めなければおいしいカレーはできない、ということになります。

シミュレーション力(仮説と検証)

実行前に手順を頭の中でシミュレーションし、想定される問題を事前に予測する力。予測して実行した後に振り返りを行い、改善につなげるプロセスも必要です。

抽象化力(本質の抽出と応用)

経験から共通項やパターン、本質を見つけ出し、他の場面に応用する力。たとえば「炒めた野菜は煮込み料理にコクを加える」という気づきが応用力につながります。

言語化・一般化力(再現可能な知識の構築)

自分の知見や手順をわかりやすく言語化・整理し、他者にも伝えられる力。レシピのように再現性のある形式にまとめるスキルです。

プログラミング的思考の業務活用イメージと効果

実際にビジネスシーンでプログラミング的思考を実践する場面を考えてみましょう。

実践例1 会議の効率化

①会議の終了状態を「ゴール(出力)」として定義する

②そこに至るアジェンダを「構造化(アルゴリズム化)」する

たとえば、会議のゴールが「新施策の決定」なら、検討要素を「予算・期間・効果」に「分解」し、各項目で合意を得るための条件分岐(もし予算オーバーならB案へ進むなど)を事前に決めておきます。
このように、会議を「意見の交換」ではなく「結論を出すための処理プロセス」として捉え直すことで、迷走を防ぎ、最短時間で最大の成果(合意形成)を得ることが可能になります。

実践例2:データ分析と改善

①結果に影響を与える「変数」を切り分ける

②過去の成功事例に共通する要因を「パターン認識」し、比較する

たとえば、売上の減少要因を分析する場合、数値を客数・単価・リピート率といった変数に「分解」し、過去の成功事例と照らし合わせてどの数字がボトルネック(バグ)になっているかを特定します。
このように「どの変数を動かせば、期待する結果(出力)が得られるか」を論理的に導き出すことで、経験や勘に頼らず、再現性の高いアクションを導き出すことができます。

プログラミング的思考力の鍛え方

プログラミング的思考は業務や日常生活の中で鍛えることができます。その実践例をいくつか挙げてみます。

AIへのプロンプト出しを訓練に使う

AIから期待外れの回答が返ってきたとき、欲しい答えを得られるよう修正していくプロセスは、まさにプログラミング的思考が必要になる部分です。最初はあえてありきたりな回答が返ってくるよう「1行の指示」から始め、返ってきた回答に何が不足しているのかを言語化します。「なぜダメなのか」を切り分けることが、プログラミング的思考の訓練になります。

例)

① 「新規事業のアイデアを5つ出して」という指示を出す

② 出てきた答えを見て、問題点は何かを考える

  • 具体性がない?(ターゲット層が絞り込めていないなど)
  • 前提のズレ?(自社の強みが考慮されていないなど)
  • 形式の不備?(コスト、実現性が示されていないなど)

③ ②で言語化された問題点を踏まえ、AIが迷わないように再度指示を出す

業務で「小さな自動化」をしてみる

RPAなどのツールを使い、日ごろの業務を自動化してみるのもよい訓練になります。まずは簡単な業務から始めることは、実務でのプログラミング的思考の実践の第一歩におすすめです。

日常生活でタスクを分解、手順を意識する

先ほどのカレーづくりの例のように、買い物や料理、会議の準備など日常のタスクにおいて、分解・組み合わせ・シミュレーション・改善などの工程を意識して行うことで、自然とプログラミング的思考が鍛えられます。

学習アプリや教材を活用する

ゲーム感覚でプログラミング思考を学べるアプリやロボット教材もあります。楽しみながらステップを追うことで、初心者でも無理なく理解を深められます。

プログラミング思考はDX・AI時代を生き抜くための必須スキルだ

プログラミング的思考とは、単なるITスキルではなく、AIやDXが当たり前の時代を生き抜くための「思考のインフラ」です。日常の生活や業務を通じて鍛えることも可能ですが、今後、「ロジカルシンキング」のような基本の思考法の一つとして、研修で学ぶ意義も十分にあるテーマだと言えるでしょう。

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