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公開日 : 更新日 : 新入社員研修にオーダーメイドを取り入れる意義とは？
新入社員研修は、毎年おなじみのパッケージ型研修で「ひとまず安心」してしまいがちです。しかし、ほんの少しのオーダーメイド要素を取り入れ、カスタマイズすることで、大きな意義を持つことになります。本稿ではそのポイントをご紹介します。
新入社員研修はパッケージ型研修で十分？
新入社員研修では、毎年ある程度内容の決まったパッケージ型の研修を活用しているという企業も多いのではないでしょうか。
新入社員研修の役割は、社会人としての基本を身につけてもらい、組織の一員としてのスタートラインに立ってもらうことです。そのため、必要なことを抜け漏れなく、一定の品質で実施することが重要だと言えます。
また新入社員研修は、内容としてはベーシックなものになるのが一般的です。ビジネスマナーやコミュニケーションの基本などは、どの会社でも共通して必要とされるテーマであり、組織ごとに大きな違いは出にくいためです。
さらに、人事担当者は年度末から年度初めにかけて業務負荷が高く、研修だけに多くの時間を割くのが難しいものです。新入社員研修についてはどちらかと言うと「手堅く回る仕組み」が重視される傾向もあるでしょう。
こうした事情を踏まえると、パッケージ型の研修を採用する企業が多いのも、ある程度自然なことだと言えます。
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パッケージ型新入社員研修の課題
パッケージ型の新入社員研修には、汎用性の高いビジネススキルを効率よく習得できるというメリットがあります。しかし、扱われるテーマはどうしても一般的なスキルが中心となります。
もちろん、新入社員にとってはこうした基礎スキルも重要であり、社会人としての最低限の準備になります。一方で、下記のような要素は当然ながらパッケージ型の研修には含まれません。
- 自社特有の仕事の進め方
- 現場が新人に求める振る舞い方
- 事業の背景や顧客との向き合い方
- 部署間の連携ルールやコミュニケーション方法
一般的なビジネスマナーが身についていても、実際の業務で的確な判断ができるようになるわけではありません。そして、新人が現場に出てから戸惑うのはたいていこのような、企業ごとの暗黙知や価値観に関わる部分です。
つまり、パッケージ型研修だけでは、「現場における仕事のしかたまでは身につかず、配属後のギャップを埋めきれない」という点が最大の弱点と言えるでしょう。
新入社員研修をオーダーメイドの要素を加えるメリット
新入社員研修に自社オリジナルの内容を組み込む意義は、こうした現場のリアルを扱えるところにあります。そのことにより、具体的には次のようなメリットが得られます。
① 研修と企業の方針とつなげることができる
それぞれの企業には、事業戦略や今年の重点テーマがあるはずです。当然ながら、既存のパッケージ型の研修では、このような各企業の考え方を反映したものではありません。一方、オーダーメイド型研修やカスタマイズ型研修では、次のような内容を加えることで、研修を経営方針とつなげることができます。
- 事業背景と市場環境を踏まえたケーススタディ
- 社内の成功事例・失敗事例の教材化
- 経営層のメッセージやビジョンの共有
こうした内容を研修で扱うことができれば、「この会社は何を大事にしているのか」「どんな姿勢で仕事に向き合えばいいのか」といった部分の理解が進み、新入社員の現場での吸収力は大きく向上するでしょう。
② オンボーディングがスムーズになり、離職率低減につながる
研修が終わって配属されたときに感じるギャップは、新人に大きな焦りや不安を与え、早期離職の原因にもなりかねません。こうしたギャップを低減できることも、新入社員研修にオーダーメイド要素を取り入れるメリットです。
たとえば次のような内容を取り入れれば、仕事の現場で感じるギャップは小さくなるでしょう。
- 自社での典型的な業務シーンを題材にしたロールプレイ
- 実際の顧客とのやりとりを再現した演習
- よくある配属後の最初のつまずきを題材にした演習
ポイントは「研修で扱ったテーマが現場でそのまま使える」 と感じられることです。学んだ内容をもとに現場でハードルを乗り越えることができれば、新人も自信を持つことができ、早期離職の予防にもつながるはずです。
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100％オーダーメイドでなくてもよい～カスタマイズのすすめ
新入社員研修にオーダーメイドを取り入れるメリットをお伝えしてきましたが、冒頭に挙げたような事情からも、「やはり新入社員研修をオーダーメイドで企画するのは難しい」と思われるかもしれません。
そこでお勧めしたいのが、既存のパッケージ型研修をベースとした「カスタマイズ型」の研修です。
- 基礎スキルはパッケージで効率化
- 価値観・事業理解・役割期待はオーダーメイドで補強（既存のプログラムのカスタマイズ）
こうした形を取ることで、パッケージ型とオーダーメイド型それぞれのメリットを取り入れることができます。
既存プログラムをベースにしながら、「自社らしい部分」をどこに組み込むか検討するだけでも、大きな効果を上げることきができるでしょう。
カスタマイズ型新入社員研修で、新人に会社のメッセージを伝える
新入社員研修は、企業から新人への「最初のメッセージ」とも言えます。新入社員研修は、自社がどんな会社であり、何を大事にしているのか、どんな人に育ってほしいのか、どんな未来を築いていきたいのかを伝える絶好の場でもあるからです。
使い慣れたパッケージ型の研修は効率的で安心感がありますが、そこに少しの「自社らしさ」を加えることで、研修は格段に深みを帯びます。新入社員研修に「どこまで自社らしさを反映できるか」と考えてみることは、未来の組織づくりに向けた大きな一歩にもなるでしょう。
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